25日、東京オリンピックの女子ソフトボールオープニングラウンドが神奈川・横浜スタジアムで行われた。3連勝中の日本代表が2勝1敗のカナダ代表を、延長8回タイブレーカーの末、1-0でサヨナラ勝ち。通算成績を4勝とし、同じく4連勝のアメリカ代表と共に2位以内を確定させた。これにより決勝進出となり、銀メダル以上が決まった。

 

◇オープニングラウンド
 キャプテン山田、サヨナラ打含む猛打賞(横浜スタジアム)
カナダ  0 =00000000
日本     1 =00000001×(延長8回タイブレーカー)
勝利投手 後藤(3勝)
敗戦投手 ローリー(1敗1S)

 

 4大会連続のメダルを決めたのはキャプテンの一打だった。

 

 マウンドには中2日で上野由岐子(ビックカメラ高崎BEE QUEEN)が上がった。エースは初回を三者凡退に抑える立ち上がり。2回1死からヒットを打たれたが、次のバッターをゲッツーに切って取った。上野のインコースに食い込むボールにピッチャーへの小フライ。その際に金属バットは真っ二つに折れた。

 

 打線は4回以外は毎回ランナーを塁に置きながら得点を奪えない。上野は6回4安打無失点でマウンドを降りる。宇津木麗華監督から2番手に託されたのは、この大会快投を見せ続ける後藤希友(トヨタ自動車レッドテリアーズ)だ。後藤はその期待に応え、三者連続三振でカナダ打線を沈黙させた。

 

 0-0で迎えた7回裏。ここで点を取れれば、日本のサヨナラ勝ちだ。先頭の山田恵里(デンソーブライトペガサス)がヒットで塁に出ると、続く我妻悠香(ビックカメラ高崎BEE QUEEN)が送りバント。スコアリングポジションに山田を置いた。宇津木監督は代打の切り札・森さやか(ビックカメラ高崎BEE QUEEN)を打席に送った。

 

 森はショートエラー、続く原田のどか(太陽誘電ソルフィーユ)は申告敬遠で塁が埋まる。1死満塁の大チャンスを迎えたが、市口侑果(ビックカメラ高崎BEE QUEEN)、内藤実穂(ビックカメラ高崎BEE QUEEN)が凡退。同点のまま延長タイブレーカーに突入した。

 

 無死二塁からスタートするタイブレーカー。チャンスを逸した後だけにカナダの流れにいきかねない。この試合で4連投目となる後藤がそれを許さぬどころか日本に流れを引き寄せる好投を見せた。20歳のサウスポーは再び三者連続三振。ゼロで抑えて、打線の援護を待った。

 

 4番・山本優(ビックカメラ高崎BEE QUEEN)が着実に送り、1死三塁のチャンスを作った。カナダベンチは2人を歩かせ満塁策をとった。1死満塁の場面でバッターボックスに入った山田は、2ボールナッシングからの3球目をセンター前に弾き返した。キャプテンを中心に歓喜の輪ができあがった。

 

 サヨナラ勝ちの日本はこれでオープニングラウンド4連勝で決勝進出。2008年北京オリンピック以来の“連覇”に近付いた。26日のオープニングラウンド最終戦は宿敵アメリカとの決勝前哨戦となった。

 

(文/杉浦泰介)