30日、東京オリンピックバドミントン競技7日目が東京・武蔵野の森総合スポーツプラザで行われた。混合ダブルス3位決定戦は渡辺勇大&東野有紗組(日本ユニシス)がタン・チュンマン&ツェ・インスェット組(香港)を2-0のストレート勝ち。日本勢同種目初のメダル獲得となった。

決勝はツェン・シーウェイ&フアン・ヤーチョン組との中国対決を制したワン・イーリュ&ファン・ドンピン組が制した。

 

 日本勢は混合ダブルス初、香港勢はバドミントン競技初。初のメダルをかけて戦った。

 

 BWF(世界バドミントン連盟)ランキングで見れば、5位の渡辺&東野ペアに対し、タン&ツェの香港ペアは13位。国際大会での直接対決も5勝0敗と日本のペアに分があると思われた。

 

 第1ゲームから競った展開。渡辺&東野ペアは10-7から4連続得点で突き放すと、21-17で競り勝った。第2ゲームは中盤に得点を重ねられ、10-15と離された。それでも渡辺&東野ペアは粘りを見せ、16-16で追いついた。

 

 福島・富岡第一中学からの先輩後輩(東野が1学年上)ペアは息の合った連携を見せる。「最後は気持ちの勝負」と渡辺。17-18からの3連続得点でマッチポイント奪った。2点を返され、デュースとなったが21-21から連続得点で勝負あり。最後は速い展開から渡辺のショットをツェが返し切れなかった。

 

 渡辺は今大会、先輩の遠藤大由(日本ユニシス)と組んだ男子ダブルスとのタフなスケジュールをこなしていた。前日は混合ダブルス準決勝で敗れた約3時間後に行われた男子ダブルスでは準々決勝敗退。渡辺が「昨日の反省をして、次に切り替えることができた。遠藤さんと合わせて3人でゲームができた」と語れば、東野は「3人で獲ったメダル」と胸を張った。

 

 全種目で表彰台を期待されていた日本だが、男子シングルスと男女ダブルスの3種目はメダルの可能性は既に潰えた。今大会日本勢最初のメダルは、日本勢混合ダブルス初の快挙となった。渡辺はこう語った。
「(メダルを)獲ると獲らないとでは全然違う。先輩たちがつくってきたくれたレールをさらに延ばすことができた。これから先のレールをつくっていく。東京オリンピックという大きな舞台でメダルを獲れたことを誇りに思います」

 

(文/杉浦泰介)