東京五輪・柔道混合団体が31日、日本武道館で行われた。日本は決勝戦でフランスに1-4で敗れ、銀メダルに終わった。

 

 この五輪新種目は男女3人ずつ計6人のチーム構成となる。体重の内訳は女子57キロ以下、70キロ以下、70キロ超、男子73キロ以下、90キロ以下、90キロ超。引き分けはなく、4本先取した方が勝利となる。

 

 日本の初戦は準々決勝、ドイツと対戦した。第1試合は女子57キロ以下。日本の阿部詩は個人戦だと1つ上の階級にあたるテレザ・シュトールと戦った。パワーで押された阿部はなかなか組ませてもらえず。指導を3つ受け、反則負けを喫した。第2試合は男子73キロ以下、大野将平が畳にあがったが残り13秒でイゴール・バントケに体落としで技ありを取られまさかの敗戦。しかし、ここから日本は底力を見せる。

 

 新井千鶴(女子70キロ以下)が小外刈りから横四方固めで抑え込み一本、向翔一郎(男子90キロ以下)が背負い投げで技ありを奪い優勢勝ち、素根輝(女子70キロ超)が大内刈りから技ありを2つ奪い合わせ技一本勝ち、ウルフアロン(男子90キロ超)が残り22秒で肩車から技ありを奪い優勢勝ちと4連勝。見事な逆転劇で準決勝進出を決めた。

 

 準決勝はROC(ロシアオリンピック委員会)との対戦となった。大野(男子73キロ以下)が開始31秒で横車を決め一本勝ち。新井(女子70キロ以下)は小外刈りで技ありを奪い、そのまま抑え込み合わせ技一本。向(男子90キロ以下)は対戦相手のミハイル・イゴールニコフに3つの指導を受け、反則勝ち。素根(女子70キロ超)は背負い投げを決め一本勝ち。4連勝で危な気なく決勝進出を決めた。この時点で日本は五輪における柔道の新種目で銀メダル以上を確定させた。

 

 決勝の対戦相手はフランス。第1試合に新井が合わせ技一本を取られた。2試合目は向が小外掛けから肩車を狙ったが隅落としで返されて一本を奪われた。第3試合は素根が大内刈りで技ありを奪い、そのまま抑え込み合わせ技一本を取り勝利。第4試合、ウルフアロンは善戦したものの延長戦の末に内股で技ありを奪われ敗れた。第5試合は芳田司が畳に上がったがフランスのサラレオニー・シジクに早々に内股から技ありを奪われ、敗れた。日本は今大会からの新種目、混合団体で銀メダルを獲得した。

 

(文/大木雄貴)