2日、東京オリンピック体操競技種目別決勝2日目が東京・有明体操競技場で行われた。女子床運動(ゆか)は村上茉愛(日体クラブ)が14.166点で3位タイに入り、銅メダルを獲得した。村上はオリンピック初のメダル獲得。日本勢女子としては1964年東京オリンピックの団体総合銅メダル以来、個人種目としては初の快挙だ。金メダルは14.366点のジェード・キャリー(アメリカ)、銀メダルは14.200点のバネッサ・フェラーリ(イタリア)。村上と14.166点で並んだアンゲリナ・メルニコワ(ROC=ロシアオリンピック委員会)も銅メダルを手にした。

 

 日本女子のエースが得意のゆかで輝いた。団体、個人総合でいずれも5位入賞に貢献していた村上が、自身初のオリンピック表彰台に上がってみせた。

 

 各選手に与えられた時間はたったの90秒。6番目に登場した村上は、どこか吹っ切れたような表情で大胆に、そして豪快に飛び跳ねた。村上の代名詞H難度の「シリバス」(後方抱え込み2回宙返り2回ひねり)を決めるなど、笑顔も見られた。Dスコア(難度点)5.900点の演技構成をミスなく終えた。

 

 村上の演技前までの暫定順位はキャリーが14.366点、フェラーリが14.200点、メルニコワが14.166点。村上の結果は――。Eスコア(出来栄え点)は8.266点。14.166点でメルニコワに並び、銅メダルの可能性を残した。後続のレベカ・アンドラデ(ブラジル)、ジェニファー・カディロワ(イギリス)が村上とメルニコワの得点を超えられなかった。

 

 8人が演技を終え、村上の銅メダルが確定した。「これ以上ない出来で3番」と笑顔を見せた。5年前のリオデジャネイロオリンピックではメダルを期待されながら7位に終わった。「次のオリンピックでメダルを獲りたいと思って、夢を叶えるために練習してきた」と振り返る。5年越しのリベンジを果たした24歳は充実感を胸に大会を終えた。

 

(文/杉浦泰介)