東京オリンピック野球は2日に、ノックアウトラウンドの準々決勝、日本対アメリカが行われ、日本が延長10回、7対6でサヨナラ勝ち。準決勝に駒を進めた。

 

 代打・栗原、絶妙犠打でサヨナラお膳立て(横浜)
アメリカ 6 = 000|330|000|0
日本 7 = 002|120|001|1x(延長10回タイブレーク)

勝利投手 栗林(2勝1S)
敗戦投手 ジャクソン(1敗)
本塁打 (ア)カサス2号3ラン
    (日)鈴木1号ソロ

 

 決勝トーナメントに予選1位で駒を進めた日本の先発は田中将大(東北楽天)。初回、ツーベースを1本打たれたものの、3三振と上々の立ち上がりを見せ、2回も2本の安打を打たれるも併殺で切り抜けた。一方、アメリカの先発は17年ドラフト1巡目のシェーン・バズ。角度のあるストレートと鋭く曲がるスライダーで、こちらも2回まで日本を1安打に抑えた。

 

 先制したのは日本。3回裏2死の後、坂本勇人(巨人)がツーベースで出塁し、続く3番・吉田正尚(オリックス)がセンター前に弾き返し1点。さらに連続四球の後、柳田悠岐(福岡ソフトバンク)のショート内野安打の間に1点を奪い、日本が2点を先制した。

 

 だが、直後の4回表。1死一塁から5番T.フレイジャーがレフトへタイムリーツーベースを放ち、さらに1死一、三塁と田中を攻め、7番M.コロスバリーがレフトへ同点タイムリー。アメリカの攻撃はさらに続き、9番・N.アレンがライトへタイムリーツーベース。アメリカが3対2と逆転に成功した。

 

 日本は4回裏に2死二塁から坂本がレフトフェンス直撃のツーベースを放ち、同点に追いついたものの、5回表、アメリカは代わった青柳晃洋(阪神)を攻め、無死一、二塁から4番・T.カサスがレフトスタンドに3ランホームラン。これで6対3と大きくリードを奪った。

 

 日本はその裏、鈴木誠也(広島)の五輪初ヒットとなるソロホームランで1点を加え、4対6。さらに1死三塁から菊池涼介の内野安打で1点差。5対6のまま、試合は9回へ進んだ。

 

 9回表、日本は大野雄大(中日)をマウンドに送る。大野は先頭打者にいきなり死球を与えたものの、続く3番・T.オースティンをファーストゴロ併殺に打ち取り、ピンチを切り抜けた。4番カサスも空振り三振に仕留め、9回裏、日本の攻撃を迎えた。

 

 先頭の吉田はセカンドゴロに倒れたものの、続く鈴木が四球を選び、1死一塁。浅村栄斗(東北楽天)がライト前へ弾き返し、1死一、三塁。続く柳田のセカンドゴロの間に鈴木が生還し、日本が土壇場で同点に追いついた。なおも2死二塁とサヨナラのチャンスも、ここは菊地が空振り三振。試合は6対6で延長10回へと入った。

 

 五輪野球の延長は、無死一、二塁からのタイブレークとなる。打順は継続打順で、アメリカは5番T.フレイジャーから。日本のマウンドには栗林良吏(広島)が上がり、栗林はフレイジャーを空振り三振、E.フィリアをセカンドゴロ。M.コロスバリーをレフトフライに打ち取り、勝ち越しを許さなかった。

 

 日本の10回裏の攻撃は、無死一、二塁で打者は村上宗隆(東京ヤクルト)から。ここで日本ベンチは栗原陵矢(福岡ソフトバンク)を代打に送り、犠打を命じた。栗原はベンチの期待に応え、初球を投手前に絶妙に転がし、これで1死二、三塁。アメリカはここで内野手を5人とする変則シフトを敷いて、サヨナラ阻止を図った。

 

 だが、9番・甲斐拓也(福岡ソフトバンク)はライトオーバーの大飛球を放ち、三塁から柳田が生還し、日本がサヨナラ勝ちを収めた。

 

 これで日本は4日に行われる準決勝に進出し、B組2位の韓国と対戦する。プレーボールは19時。侍ジャパンは悲願の金メダルまであと2勝と迫った。

 

(文/SC編集部・西崎)