4日、東京オリンピックボクシング女子フライ級準決勝が、東京・両国国技館で行われ、並木月海(自衛隊)がストイカジェリャスコバ・クラステバ(ブルガリア)に判定で敗れた。ボクシングは3位決定戦を行わないため、並木は銅メダル獲得。日本勢のメダルは前日の女子フェザー級・入江聖奈(日本体育大)に続き、今大会2個目となった。

 

 素早いステップワークと連打で、快進撃を続けてきた並木。初挑戦のオリンピックが幕を閉じた。

 

 1回戦から準々決勝まですべて5-0で勝利してきた。準々決勝はリオデジャネイロオリンピック銅メダリストのイングリット・バレンシア(コロンビア)相手にもスピードを生かした攻撃で圧倒した。

 

 メダルを確定させてから臨んだ準決勝。相手は並木と同じサウスポーのクラステバだが、身長、リーチ差がある。153cmの並木に対し、165cmのクラステバ。踏み込んでパンチの回転数を上げ、リズムを掴みたい並木にとって、やりにくそうに映った。

 

 第1ラウンドからクラステバは距離を取って、着実にパンチを当ててくる。一方の並木は距離を詰めたいところだが、有効打がなかなか入らない。押し倒されるような場面もあり、最後まで主導権を握れず3分間が過ぎた。

 

 1ラウンドの採点はジャッジ1人が10-9で並木を支持したものの、残り4人はクラステバに10点をつけた。何とか挽回したい並木。しかし第2ラウンドはジャッジ全員がクラステバ優勢と見た。並木は追い込まれた。

 

 もう前に出るしかない並木はゴングが鳴ると同時に飛び出す。形勢逆転のため、大振りになる並木をいなすクラステバ。最後の3分間が終わり、軍配は冷静に対処し続けたクラステバに上がった。並木は0-5の完敗。「自分を褒めてあげたいと思うのと、やはり悔しいという気持ちがある」と語った。悔し涙を流した22歳。リベンジは3年後のパリで果たすのか。

 

(文/杉浦泰介)