東京オリンピックボクシング男子フライ級準決勝が5日、東京・両国国技館で行われ、田中亮明(中京高教員)がカルロ・パーラム(フィリピン)に判定で敗れた。パーラムは決勝進出。3位決定戦を行わないため、田中は銅メダルとなった。同階級の日本勢では1960年ローマオリンピックの田辺清(銅メダル)以来、2人目の表彰台となった。

 

 3階級制覇を達成した田中恒成(畑中)の兄である田中が、初出場のオリンピックで銅メダルを手にした。

 

 1回戦から難敵続きだった。初戦のジョエル・フィノル(ベネズエラ)は16年リオデジャネイロオリンピックの銀メダリスト。2回戦のフー・ジエングアン(中国)は同銅メダリストである。準々決勝のユベルヘン・マルティネス(コロンビア)は1階級下のライトフライ級で銀メダリスト。リオオリンピックのメダリスト3連破し、今大会のメダルを確定させた。

 

 準決勝は前に出てリズムを掴みたい田中と、距離を取ってそれを冷静に対処するパーラムの構図となった。田中のパンチが空を斬る場面が目立つなど、パーラムが優勢に映った。ジャッジの判定も第1ラウンド、第2ラウンドともにフルマークでパーラムだった。

 

 最終ラウンドで逆転を狙ったが、パーラムを仕留めることはできなかった。0-5の判定でパーラムに完敗。決勝進出はならなかったが、日本男子ボクシングとしては2大会ぶりの表彰台に上がり、61年ぶりのフライ級日本人メダリストとなった。

 

(文/杉浦泰介)