東京オリンピック・男子20km競歩が5日、北海道・札幌大通公園を発着点に行われた。マッシモ・スタノ(イタリア)が1時間21分5秒で優勝。池田向希(旭化成)がトップと9秒差の2位、山西利和(愛知製鋼)が23秒差の3位に入り、ダブル表彰台を達成した。高橋英輝(富士通)は1時間27分29秒で32位だった。

 

 近年、躍進が目立つ日本競歩。男子20km競歩は2016年リオデジャネイロオリンピックでの7位入賞が最高だったが、それを塗り替えるメダル獲得。さらに2人が表彰台に上がる快挙を成し遂げた。

 

 エース山西は現在世界ランキング1位。同8位の池田、同10位の高橋を加えた3人でオリンピックに挑んだ。東京の暑さを避け、札幌へのコース変更となったわけだがスタート地点の気温は31度。日本の暑さが出場選手たちを襲った。

 

 序盤に仕掛けたのはワン・カイファ(中国)。2km過ぎで1人抜け出す。そこにサンディープ・クマール(インド)が合流し、2人がレースを引っ張る。日本勢は約10秒遅れて第2集団に形勢していた。クマールは8km過ぎたあたりで、ワンから遅れると、そのまま第2集団にも抜かれた。

 

 先頭を歩いていたワンだが、第2集団に飲み込まれる。12km過ぎで先頭集団は7人となった。内訳は日本、スペイン、中国勢が2人ずつ。イタリアが1人だ。

 

 そこからレースが動いたのは17km過ぎ。山西、池田、スタノが集団から抜け出した。先頭からスペイン、中国勢が離された。日本のワンツーフィニッシュも見えてきたかに思われたが、18km過ぎに山西も離され始める。苦悶の表情を浮かべる山西は、スタノと池田についていけない。

 

 マッチレースの様相を呈したが、スタノが19km過ぎに単独トップに立つ。池田も踏ん張りたかったが、最後は離された。フィニッシュタイム1時間21分5秒で、29歳のイタリア人がオリンピック初優勝。池田は1時間21分14秒で銀メダル、山西は1時間21分28秒で銅メダルに輝いた。

 

(文/杉浦泰介)