東京オリンピック卓球は6日、卓球男子団体の3位決定戦、日本対韓国が行われ、日本(張本智和、水谷隼、丹羽孝希)が3-1で勝ち、銅メダルを獲得した。団体のメダルは前回のリオの銀メダルに続いて2大会連続。

 

 混合ダブルスに続く中国撃破および、リオの銀以上を目指した日本だったが、その夢は叶わず、韓国と3位決定戦を戦うことになった。ダブルスは水谷/丹羽ペア、世界的にも珍しい左利き同士の組み合わせだ。

 

 第1ゲーム、日本は立ち上がりから積極的に攻め、7対1と大きくリードを奪った。韓国も徐々に追い上げたものの、水谷の的確なショットを中心に攻撃を組み立てた日本が11-9で1ゲームを先取した。第2ゲームは互いに点を取り合う展開が続き、なかなか相手を突き放せない。8-8から韓国のショットが決まり、最後は韓国のバックカウンターが決まり、8-11と韓国が1ゲームを取り返した。

 

 第3ゲームも点を取り合い、デュースまでもつれる展開で、日本ペアは冷静にゲームを組み立て、逆に韓国は焦りからミスを連発。日本が15-13とゲームカウント2-1とリードを奪った。第4試合、日本は立ち上がりから勢いよく攻め、5-3とリード。ここで韓国がタイムアウトをとったが流れは変わらず、丹羽のカウンターなどで相手を圧倒。11-5で第4ゲームをとり、第1試合をものにした。

 

 第2試合は張本対張禹珍。世界ランキング2位の張本は立ち上がりから圧倒的攻撃力で張に付け入るすきを与えない。9-3とリードを奪い、そこから張に連続ポイントで2点差まで詰められたものの、結局、11-7で第1ゲームを先取した。続く第2ゲームを張にとられ、第3ゲームも8-8と点差をつけられない展開に。ここでタイムアウトをとった張本だったが、ゲームポイントで放ったショットがネットになりデュース。だが、最後は張本が12-10で第3ゲームを奪取した。張本は第4ゲームも11-7でとり、これで日本がゲームカウント2-0とリードした。

 

 第3試合は丹羽と鄭栄植の対戦。第1ゲームから鄭のフォアドライブに苦しみ、丹羽は第1ゲーム、第2ゲームと連続して奪われる。巻き返したい丹羽はロングサーブに苦しめられながらも、中盤は対角に打ち込み、なかなか流れを相手に渡さなかった。しかし、最後は鄭の地力に押し切られ7ー11、ストレート負けを喫した。

 

 ゲームカウント2ー1で迎えた第4試合は水谷が張禹珍と対戦。第1ゲーム、水谷は相手のショットをしぶとく返す、粘りを見せる。先にゲームポイントを握ったのは水谷。だが、そこからデュースに持ち込まれ、一進一退も、水谷が14-12と先制した。第2ゲーム、水谷のサーブが相手を翻弄し、ポイントをリード。張も追い上げを見せたが11-9で水谷が振り切り、2ー0とリードする。迎えた第3ゲームも水谷の勢いは衰えず、相手には返すだけのすきしか与えず、自在に攻撃を組み立てる。10-4と最初のマッチポイントは張に阻止され、そこから連続でポイントを奪われたものの、最後は水谷、渾身のスマッシュが決まり、張にストレート勝ち。ゲームカウント3-1で勝利し、銅メダルを獲得した。

 

 勝利の直後、水谷に飛びついた張本は「最初のマッチポイントのときから準備していたので、ちょっと遅れたけど、でも最初から勝利の瞬間は水谷さんに抱きつこうと決めていた」と勝利の余韻に浸り、水谷は「若い張本、丹羽が2人とも頑張ってくれたおかげ」と後輩たちを労った。ダブルスで水谷とペアを組み、幸先良い勝利をものにした丹羽は「ダブルスで勝って良い流れをつくることができた。ミスをしても水谷さんがカバーしてくれて、シングルスも張本と水谷さんがいて心強かった」と語った。

 

 日本チームを牽引した水谷は「この団体は最高の後輩たちに恵まれて最高の結果を残せました。次のパリでは金メダルを目指して、その後輩たちに頑張ってもらいたい」と、3年後に向け、張本らにバトンを託した。

 

(文/SC編集部・西崎)