現在、松山で秋季キャンプ中の東京ヤクルトスワローズが、15日に松山・坊っちゃんスタジアムでアイランドリーグと練習試合を行うことが明らかになった。対戦するのは愛媛と香川の連合チームになる予定で、近日中にも正式発表される。ヤクルトと四国で対戦するのは、昨年の秋季キャンプ以来、2度目。

(写真:今回の試合が初采配となるヤクルト・高田新監督)
 ヤクルトは今シーズン21年ぶりの最下位に沈み、高田繁新監督の下、出直しをはかる。高卒ルーキーの増渕竜義やアイランドリーグ出身の伊藤秀範(元香川)ら来季の飛躍を目指す選手たちはもちろん、石川雅規、五十嵐亮太、宮出隆自ら主力メンバーも巻き返しを狙っている。

 また合同トライアウトで獲得が決定した斉藤宜之(前巨人)、萩原淳(前日本ハム)の合流も決まり、生き残りをかける。ヤクルトは昨年のアイランドリーグとの交流試合で連敗を喫した。練習試合といえども、全力でぶつかってくることは間違いない。

 昨年の交流試合で好投した伊藤が、古田敦也兼任監督(当時)の目に留まり、育成指名を受けたことも記憶に新しい。リーグの選手たちにとっては19日のNPBドラフト会議に向け、最後のアピール場となる。フェニックス・リーグでは雨天ノーゲームとなった伊藤との再戦が実現するかも注目だ。

<徳島・角野が福岡へ、高知・高井が長崎へ 〜分配ドラフト〜>

 IBLJは来季より新規参入する福岡(チーム名未決定)と長崎セインツの両球団に選手を供給するための分配ドラフトを1日に実施した。既存4球団のプロテクトを外れた選手の中から両球団が指名を行い、この日までに福岡へ10名、長崎へ7名の移籍が決定した。

 今回の分配ドラフトでは、まず香川、愛媛、高知、徳島の4球団が、チーム残留を希望するプロテクト選手(最大10名)を提出。プロテクト選手と各県の地元出身選手などを除いたメンバーの中から、福岡、長崎の両球団が指名を行った。長崎は既に10選手が在籍しているため、福岡が優先的に3選手を指名。その後は両球団が希望選手を順に選択し、重複した場合は抽選で決定する方式で進められた。

 まだチームが設立されていない福岡は指名上限(25名)の半分に達しない10選手のみの獲得で、メンバーの大半はこれからのトライアウト等で補強することになる。7選手を迎えた長崎は、これで計17名となり、ほぼチームの骨格が出来上がった。

 移籍する選手がもっとも多いのは高知で7名。次いで愛媛5名、香川3名、徳島2名の順だった。福岡にはリーグ初年度で11勝をあげた角野雅俊(徳島)、昨季のベストナインに輝いた國信貴裕(高知)、西村悟(徳島)などが加入した。長崎には19日のNPBドラフトで指名が期待される若き大砲、高井啓行(高知)らが移る。
 両球団への移籍選手は以下の通り。なお福岡は今季途中で徳島を退団し、愛媛の練習生となっていた森倫太郎投手の獲得も発表した。

福岡新球団
投手 松本健太(香川、1年目) 14試合2勝3敗、防御率5.70
    大澤亮(高知、1年目) 19試合2勝0敗、防御率7.65
    角野雅俊(徳島、3年目) 28試合4勝6敗1S、防御率4.12
捕手 前田翔(高知、2年目) 31試合、打率.074、0本塁打、2打点
内野 荒木康一(愛媛、3年目) 90試合、打率.250、3本塁打、39打点
    國信貴裕(高知、3年目) 90試合、打率.237、0本塁打、21打点
    西村悟(徳島、2年目) 60試合、打率.210、3本塁打、12打点
外野 林世業(香川、1年目) 54試合、打率.125、1本塁打、15打点
    土佐和広(高知、3年目) 59試合、打率.218、1本塁打、9打点
    トモ(高知、2年目) 61試合、打率.255、0本塁打、26打点

長崎セインツ
投手 安達輝誠(愛媛、2年目) 7試合1勝2敗、防御率6.04
    山本肱平(愛媛、1年目) 2試合0勝0敗、防御率13.50
捕手 松本悠(愛媛、1年目) 4試合、打率.000、0本塁打、0打点
内野 外間修平(愛媛、1年目) 67試合、打率.232、2本塁打、13打点
    孝太郎(高知、1年目) 38試合、打率.156、0本塁打、3打点
外野 町田雄飛(香川、2年目) 80試合、打率.230、0本塁打、20打点
    高井啓行(高知、1年目) 67試合、打率.239、3本塁打、27打点
※成績はいずれも今季

<高校生トライアウトで6選手が合格>

 IBLJは同日、3日に愛媛・新居浜市営球場で行われた現役高校生を対象としたトライアウトの結果を発表。受験した12名中6選手が合格した。高校2年生の篠原慎平投手(川之江)をはじめ、愛媛県下の高校生が3名を占めた。また、白川大輔(高知)の弟・勇輔選手も合格し、正式契約を結べば、リーグ初の兄弟プレーヤーとなる。6選手は11月下旬より3会場で行われるトライアウトの合格者とあわせて、12月のドラフト会議にかけられ、所属球団が決定する。合格した選手は以下の通り。

投手 篠原慎平(右投左打、川之江、17歳)
内野 藤井勇希(右投右打、山口・光、18歳)
    瀧田亮太(右投右打、済美、18歳)
    白川勇輔(右投右打、尽誠学園、17歳)※外野も可能
外野 内田宣友(右投右打、三重・桑名工、17歳)
    高田泰輔(右投左打、新田、18歳)

<徳島3選手が退団>

 IBLJは徳島の3選手の退団を発表した。今季途中、香川から移籍した勝沢賢一、先発ローテの一角を占めていた益田陽介の両投手が自らの希望でチームを去る。また田久保賢植外野手は7月に入団したばかりだったが、球団から戦力外を通告された。

徳島インディゴソックス
 勝沢賢一(投手、3年目) 28試合2勝3敗2S、防御率2.83
 益田陽介(投手、2年目) 27試合2勝14敗、防御率4.58
 田久保賢植(外野手、1年目) 14試合、打率.294、0本塁打、0打点
※成績はいずれも今季


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