サッカーカタールワールドカップアジア最終予選が7日、各地で行われた。日本代表(FIFAランキング26位)はサウジアラビア代表(同56位)とアウェーで対戦し、0-1で敗れた。日本は3試合を消化し、勝ち点3の3位。W杯出場に黄色信号が灯ってしまった。

 

 柴崎、痛恨のパスミス(ジッダ)

日本代表 0-1サウジアラビア代表

【得点】

[サ] フェラス・アルブリンカ(71分)

 

 既に初戦で星を落としている日本。何としてでも上位のサウジアラビアに勝ち点を与えたくなかった。しかし、シナリオは最悪な展開となってしまった。

 

 この試合、最初に好機を作ったのは日本だった。前半6分、MF柴崎岳(レガネス)がロングレンジからブレ球でゴールを狙ったが、相手GKに阻まれた。

 

 12分、セットプレーでひやりとさせられる。左サイドのFKからクロスを入れられ、DFアブドゥラ・マドゥーにヘッドで合わせられるが、これはGK権田修一(清水エスパルス)の正面だった。

 

 24分にはMF浅野拓磨(ボーフム)が右サイドからファーサイドにクロスを供給。MF南野拓実(リバプール)がヘディングシュートを放つものの相手GKのセーブに阻まれた。その5分後、日本に決定機が訪れる。自陣中央からMF鎌田大地(フランクフルト)が右足ダイレクトでスルーパスを通す。相手守備網を切り裂いたパスに反応したFW大迫勇也(ヴィッセル神戸)がワントラップから右足インサイドでゴール右隅を狙ったが相手GKのファインセーブに阻まれた。このチャンスをモノにできなかったことが結果的に響いてしまった。

 

 37分にはDF酒井宏樹(浦和レッズ)が右サイドから鋭いクロスを入れる。大迫をニアに走り左足で合わせるものの惜しくもゴール右に逸れた。

 

 後半に入り、最初にチャンスを作ったのはサウジアラビアだった。4分、FWサレハ・アルシェハリにドリブルでペナルティーエリア内に侵入される。こぼれ球をFWアブドゥルラフマン・ガリーブに右足インサイドでゴール右隅を狙われるが、守護神・権田が体を張ってブロックした。

 

 ここまで持ちこたえていた守備陣だったがついに決壊してしまった。26分、自陣右サイドのタッチライン付近に追い込まれた柴崎はフォローに入ったDF吉田麻也(サンプドリア)にバックパス。しかし、このパスが吉田の足もとからやや左にズレてしまう。このパスミスをFWフェラス・アルブリンカに拾われ、ドリブルで一気にゴール前に運ばれる。吉田とDF冨安健洋(アーセナル)が懸命にアルブリンカの背中を追うものの、左足でシュートを放たれる。ボールは無情にも守護神の股下を通過し、ゴールネットを揺らされた。

 

 その後、FWオナイウ阿道(トゥールーズ)ら、攻撃的なカードを切るが奏功せず試合終了。日本は痛すぎる2敗目を喫した。

 

 アジア最終予選第3節を終え、グループBの順位の首位は、オーストラリア(勝ち点9)。同じく勝ち点9ながらサウジアラビアが得失点差により2位。日本は勝ち点3で3位につけている。以下、4位・オマーン(同3)、5位中国(同3)、6位ベテラン(同0)。カタールW杯に自動的に出場できる2位さえも危うくなってきた。12日には埼玉スタジアムでオーストラリアと対戦する。ここで勝ち点3を奪えなければ、森保一監督の解任が、より一層現実味を帯びてきても不思議ではない。

 

(文/大木雄貴)