第291回　「トング」～愛媛ゴール裏netによるホームタウンクリーン活動～

　愛媛FCのホームゲームでは毎試合、マッチシティやマッチタウンなどが設定されている。クラブの運営サイドだけではなく、私たちサポーターも愛媛県内の各地域（各自治体）の方々には、大変お世話になっている。

　私たち、愛媛FCサポーターズクラブ「ラランジャ トルシーダ」も参加している愛媛ゴール裏net（サポーターズクラブの協議会）ではホームゲームの運営にご協力いただいている各地域の皆様や各自治体の皆様へ御恩返しを行いたいと考え、これまで各所での清掃ボランティア活動や被災地域での復興ボランティア活動にも取り組んできた。

　中でも数年前までは、（美しいホームタウンを実現するため）各地域でのゴミ拾いのボランティア活動を積極的に行ってきたのである。

　しかし、ここ最近は、様々な地域での災害発生などを受け、復興支援活動への取り組みにウェイトを置くことが増えていた。また、昨今の厳しい社会情勢を鑑みて、ゴミ拾い活動は年１回の松山市市民大清掃への参加のみとなっていた。

　そんな中、愛媛ゴール裏netの事務局が、ゴミ拾い活動の復活を計画し、今年の１月から、このボランティア活動を「ホームタウンクリーン活動」と銘打ち、再スタートした。

　屋外でのゴミ拾い活動なのだから、感染予防対策に努め、範囲を縮小し、地域を限定して活動するのであれば、周囲に迷惑を掛けることなく再開できるはず。ある意味、目からうろこの感覚であった。ということで私も、このゴミ拾い活動へ再び参加させて頂くことになった。

　およそ、ひと月に１回のペースで開催される「ホームタウンクリーン活動（ゴミ拾い活動）」。10月までは、広範囲への移動を避け、ニンジニアスタジアム（ホームスタジアム）がある松山市を中心に、隣接する伊予郡などでも活動を展開してきた。

　参加するサポーター有志たちは皆、愛媛FCの認知度アップのため、レプリカユニフォームやオレンジ色のＴシャツやタオルなどを身に纏い、約１時間程度の作業を毎回行っている。街中を歩きながら、手袋や片手に持ったトング（火ばさみ）でゴミを拾い上げ、ビニール袋に入れていくのである。

　街頭にて清掃活動を行っていると、毎回のように思うのだが、タバコの吸殻ゴミが本当に多い。ものによっては、アスファルト路面に、こびり付いて、なかなか拾えなくて困ることが多々ある。ほんの一部の方だとは思うが、心当たりのある喫煙者にはエチケットやマナーを改めて考えて頂きたい。

　また、幹線道路の中央分離帯には、空き缶やペットボトル、弁当の食べかすなどが無造作に捨てられていることもよく見掛ける。歩道脇の低木の植栽からは、壊れた雨傘や衣類、不織布マスクなども見つかることもしばしば。１時間程の作業で、ビニール袋はゴミでいっぱいになってしまう。それでも、そのビニール袋の分、街中に投棄されたゴミが減っている証しとも捉えられるので、作業後は清々しさを感じられるのだ。

　現況、10名前後の参加者で行っている、この小さな規模のゴミ拾い活動が、各地域・各自治体の皆様の役に立っているのかは定かではないが、自身の心の中にあるモラルや社会でのマナーを見つめ直す良い機会となっているのは確かだ。

　もちろん、私たちの故郷を美しくしていくことが、本来の目的であることに違いはない。アウェイ（敵チーム）のサポーターが私たちのホームタウンを訪れた際に『美しい街だな。』と感じて頂けたら嬉しいですよね。なので、自分たち（愛媛FC）のホームタウンを誇らしく思えるような街にしていくためにも、クラブを愛するサポーターとして清掃活動やゴミ拾い活動を今後も続けていきたい。

　今回、ご紹介させていただいた愛媛ゴール裏netによる「ホームタウンクリーン活動（ゴミ拾い活動）」は、およそ、ひと月に１回開催しております。

　来る12月５日（日）のホームゲーム最終戦（第42節）では、今年最後の「ホームタウンクリーン活動」の開催を予定しています。試合前の時間を利用して、ニンジニアスタジアムの外周など、愛媛県総合運動公園内にてゴミ拾い活動を行う予定です。

　日頃、愛媛FCを応援や支援していただいている方、また愛媛FCに興味を持っていただいている方であれば誰でも参加できます。是非お気軽に、ご参加ください。「ホームタウンクリーン活動」の開催日時や場所等の詳細は、愛媛ゴール裏netのブログをご覧ください。

　愛媛ゴール裏ｎｅｔのブログはこちら

＜松本 晋司（まつもと しんじ）プロフィール＞

1967年５月14日、愛媛県松山市出身。愛媛FCサポーターズクラブ「Laranja Torcida（ラランジャ・トルシーダ）」代表。2000年２月６日発足の初代愛媛FCサポーター組織創設メンバーであり、愛媛FCサポーターズクラブ「ARANCINO（アランチーノ）」元代表。愛媛FC協賛スポンサー企業役員。南宇和高校サッカー部や愛媛FCユースチームの全国区での活躍から石橋智之総監督の志に共感し、愛媛FCが、四国リーグに参戦していた時期より応援・支援活動を始める。