サッカーカタールワールドカップアジア最終予選が17日(日本時間)、各地で行われた。日本代表(FIFAランキング28位)はアウェーでオマーン代表(77位)と対戦し、1対0で勝利した。試合は後半36分にFW伊東純也(ゲンク)が先制点を決めて、日本が逃げ切った。オーストラリアは中国と引き分けたため、日本はオーストラリアをかわしW杯自動出場圏内のグループBの2位に浮上した。

 

 三笘、A代表デビュー戦でアシスト記録(マスカット)

日本代表 1-0 オマーン

【得点】

[日] 伊東純也(81分)

 

 累積警告で出場停止のMF守田英正(サンタ・クララ)に代え、MF柴崎岳(レガネス)を4-3-3のインサイドハーフに起用した日本。しかし、前半はまたしてもオマーンの分厚い守備に手を焼いた。

 

 日本のワントップが相手センターバックの2枚とアンカーにつかまり、思うように前線にボールを運べなかった。サイドで起用されたMF南野拓実(リバプール)も本来の持ち味を発揮できたとは言い難い出来だった。

 

 後半開始とともに森保一監督は柴崎に代えてMF三笘薫(サンジロワーズ)をピッチに送り出した。この交代を合図に、日本はシステムを4-3-3から4-2-3-1に変更した。三笘が左サイドハーフに入り、南野がトップ下に入った。

 

 三笘はこの試合がA代表デビュー戦となった。この左サイドのドリブラーからは緊張からくる硬さは全く見受けられなかった。それどころか、三笘からしか希望の光が見えなかった。

 

 三笘はボールを持つと積極的に得意のドリブルで相手守備網を揺さぶりにいった。三笘がひとりでボールを持つと相手が二人、三人で対応してきた。それでも三笘は堅く分厚いドアのドリブルで“ノック”し続けた。

 

 しつこくかつテクニカルなノックが奏効したのは36分だった。途中出場を果たした左サイドバックの中山雄太(スヴォレ)からペナルティーエリア内左サイドでパスを受けた三笘は右足アウトサイドでトラップ。すぐさま左足でクロスを供給。これをファーサイドに詰めた伊東が左足インサイドで押し込み待望の先制点を決めた。

 

 日本はこのまま危なげなく時計の針を進め、タイムアップ。最終予選初戦で黒星を喫した相手にアウェーで勝ち点3を得た。この結果、日本はオーストラリアをかわしてグループBの2位に浮上した。次節は2022年1月にホームで行われる中国代表戦。既に2敗を喫している日本は薄氷を踏むような戦いが続く。

 

(文/大木雄貴)