（写真：バンタム級日本GPで４強入りを果たした選手たち。大晦日に王者が決まる ⓒＲＩＺIN FF）
『RIZIN.33』が近づいてきた。
７年連続で、さいたまスーパーアリーナでの開催となるRIZIN大晦日決戦。この模様は、18時から６時間弱にわたりフジテレビ系列で全国に放映（一部生中継）される。
対戦カードも続々と発表されており、12月10日時点で決まっているのは次の10カード。
▼RIZIN JAPAN GP2021バンタム級トーナメント準決勝（61キロ契約）
朝倉海（トライフォース赤坂）vs.瀧澤謙太（フリー）
▼同
扇久保博正（パラエストラ松戸）vs.井上直樹（セラ・ロンゴ・ファイトチーム）
▼RIZIN JAPAN GP2021バンタム級トーナメント決勝（61キロ契約）
準決勝の勝者同士の対戦
▼RIZIN JAPAN GP2021 バンタム級トーナメント・リザーブマッチ（61キロ契約）
元谷友貴（フリー）vs.金太郎（PANCRASE大阪稲垣組）
▼RIZINライト級タイトルマッチ（71キロ契約）
ホベルト・サトシ・ソウザ（王者/ボンサイ柔術）vs.矢地祐介（挑戦者/フリー）
▼MMAルール（66キロ契約）
斎藤裕（パラエストラ小岩）vs.朝倉未来（トライフォース赤坂）
▼女子MMAルール（49キロ契約）
浜崎朱加（AACC）vs.伊澤星花（フリー）
▼MMAルール（66キロ契約）
萩原京平（SMOKER GYM）vs.鈴木博昭（BELLWOOD GYM）
▼MMAルール（71キロ契約）
武田光司（BRAVE）vs.“ブラックパンサー”ベイノア（極真会館）
▼MMAルール（120キロ契約）
シビサイ頌真（パラエストラ東京）vs.関根“シュレック”秀樹（ボンサイ柔術）
このほか、那須川天心（TARGET/Cygames）、皇治（TEAM ONE）らの参戦も濃厚。全部で16試合ほどが組まれる予定で追加カードは近日中に発表される。
予想は「朝倉海Ｖ」だが…
すでに興味深いカードが揃っているが、やはり注目すべきは『RIZIN JAPAN GP 2021 バンタム級トーナメント』だ。
組み合わせは11月30日の記者会見で発表されたが、その場でメディアからこんな４選手に対してこんな質問が飛んだ。
もう一つの準決勝を制し勝ち上がってくるのは誰だと思うか？
（写真：11月30日の記者会見で静かに火花を散らした４選手＜左から扇久保、井上、朝倉海、瀧澤＞ ⓒRIZIN FF）
井上直樹＜無回答＞
扇久保博正「朝倉海選手が上がってくると思います」
瀧澤謙太＜無回答＞
朝倉海「扇久保選手だと思います」
無回答とは、「どちらが勝つか予想できない」との意。
扇久保の答えは、予想できた。意外だったのは、朝倉が「扇久保が勝つだろう」と発言したことだ。
「本命・朝倉、対抗・井上」で、決勝は２人の対決になるというのが大方の見方。だが、朝倉は一度倒している扇久保の方が強いとみているのか？ それとも井上に対する陽動作戦か？ 真意は測りかねた。
順当なら、朝倉と井上の決勝になると私は思う。ふたりの実力は接近しているが、優位なのは朝倉か。それは、準決勝の組み合わせに恵まれたことも大きい。
優勝するためには、勝ち上がり段階でのダメージを最小限にとどめておきたい。そこを考えると井上と扇久保の闘いは削り合い必至。対して朝倉は、敢えて打ち合わず、瀧澤が苦手な寝技に引き込んでセーフティに勝つのではないか。
私の予想は、「朝倉海Ｖ」。
だが、何が起こるかはわからない。準決勝の闘いが縺れにもつれれば、元谷vs.金太郎の勝者が浮上することもある。大晦日の夜に予想を覆す波乱は起きるのか――。
近藤隆夫（こんどう・たかお）
1967年１月26日、三重県松阪市出身。上智大学文学部在学中から専門誌の記者となる。タイ・インド他アジア諸国を１年余り放浪した後に格闘技専門誌をはじめスポーツ誌の編集長を歴任。91年から２年間、米国で生活。帰国後にスポーツジャーナリストとして独立。格闘技をはじめ野球、バスケットボール、自転車競技等々、幅広いフィールドで精力的に取材・執筆活動を展開する。テレビ、ラジオ等のスポーツ番組でもコメンテーターとして活躍中。著書には『グレイシー一族の真実 ～すべては敬愛するエリオのために～』（文春文庫PLUS）『情熱のサイドスロー ～小林繁物語～』（竹書房）『プロレスが死んだ日。』（集英社インターナショナル）『ジャッキー・ロビンソン ～人種差別をのりこえたメジャーリーガー～』『伝説のオリンピックランナー“いだてん”金栗四三』『柔道の父、体育の父 嘉納治五郎』（いずれも汐文社）ほか多数。
連絡先＝SLAM JAM（03-3912-8857）
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