(写真:安彦<左>と相内。サッカーと野球の元プロ選手が異色の対決)

 オープンフィンガーグローブ(以下OFGと記す)マッチに特化したキックボクシングイベントがついに開催される。

 2月16日、東京・新宿フェイス『RISE FIGHT CLUB』――。

 同イベントの対戦カード発表記者会見が、1月14日に都内で行われた。第1弾として決定したのは、次の3カード。

 

▶-65キロ契約

山口裕人(道化倶楽部[ピエロクラブ])vs.東 修平(AACC)

▶-63キロ契約

山口侑馬(道化倶楽部[ピエロクラブ])vs.木村“ケルベロス”颯太(心将塾)

▶-66キロ契約

相内 誠(K26)vs.安彦孝真(Executive Fight 武士道)

 

(写真:昨年5月「RISE on ABEMA2021」で行われた山口裕人<左>と松本芳道のOFGマッチでの激闘 ⓒRISE)

 昨年5月よりOFGファイターと化している山口兄弟、ラウェイで9勝2敗の戦績を誇る東、DEEP☆KICK-65キロ級王者・木村……彼らの絡みはラジカルファイト必至、好勝負が期待できそうだ。

 そしてもっとも話題性に富むのが、元プロ野球選手(埼玉西武ライオンズ)と元Jリーガー(水戸ホーリーホック、Y.S.C.C.横浜)の対決となる相内vs.安彦だろう。

 

 相内は諸問題を起こし、一昨年にライオンズから戦力外通告を受けユニフォームを脱いだ。その後、格闘家に転身し昨年2月、RISEのリングでプロデビュー。この時はKO負けを喫するも、11月の「Breaking Down」では僅か25秒で相手を失神させ勝利している。

 

 対する安彦は、数年前に「年俸120円Jリーガー」として話題になった男。39歳で仕事をやめ、40歳でJリーガーになる夢を果たした。引退後に格闘技を始め、昨年4月からアマチュアの大会に出場しキャリアを積んでいる(3戦3勝)。

 

(写真:会見ではKO勝ちを予告した相内<右>)

「(対戦相手を聞いて)練習しなくても大丈夫だと思いました。毎日、六本木で飲んでます。サクッと倒しちゃいますよ。1ラウンドで自分が勝ちますけど、おっちゃんファイターのその後が心配です」(相内)

「(プロ)デビュー戦になるのでアグレッシブな試合がしたい。初めてのオープンフィンガーグローブだけの大会に相応しい闘いをする。誰もが立てる舞台ではない。チャンスをもらえたことに感謝の気持ちも込めて全力で挑みます」(安彦)

 相内は挑発的にコメント。それに安彦は付き合わなかった。相内27歳、安彦43歳、16歳差の対決。果たして、いかなる闘いになるのか?

 

 通常のグローブに比してOFGは小さく、また拳を覆う革も薄い。そのためパンチの衝撃が相手に直接伝わり、KO決着の確率が高まると予想される。

 一撃必倒の緊張感が、通常のキックボクシング以上に醸されよう。

 

「RISE FIGHT CLUB」は、シリーズ化が予定されている。

 

 

<直近の注目格闘技イベント>

▶1月16日(日)、東京・後楽園ホール/プロフェッショナル修斗公式戦「PROFESSHONAL SHOOTO 2022 開幕戦」環太平洋バンタム級王座決定戦、小野島恒太vs.藤井伸樹ほか

▶1月22日(土)、東京・後楽園ホール/「KNOCK OUT2022 vol.1」鈴木千裕vs.タップロン・ハーデスワークアウトほか

▶1月23日(日)、東京・後楽園ホール/「RISE154」バンタム級タイトルマッチ、鈴木真彦vs.拳剛ほか

▶1月23日(日)、東京・竹芝ニューピアホール/石渡伸太郎引退興行 漢塾~継承~

▶1月28日(金)、東京・後楽園ホール/「Krush133」S・フェザー級王座決定トーナメント準決勝、決勝ほか

▶1月30日(日)、大阪・世界館/「WARDOG35&36」藤原大地MMA復帰戦ほか

 

近藤隆夫(こんどう・たかお)

1967年1月26日、三重県松阪市出身。上智大学文学部在学中から専門誌の記者となる。タイ・インド他アジア諸国を1年余り放浪した後に格闘技専門誌をはじめスポーツ誌の編集長を歴任。91年から2年間、米国で生活。帰国後にスポーツジャーナリストとして独立。格闘技をはじめ野球、バスケットボール、自転車競技等々、幅広いフィールドで精力的に取材・執筆活動を展開する。テレビ、ラジオ等のスポーツ番組でもコメンテーターとして活躍中。著書には『グレイシー一族の真実 ~すべては敬愛するエリオのために~』(文春文庫PLUS)『情熱のサイドスロー ~小林繁物語~』(竹書房)『プロレスが死んだ日。』(集英社インターナショナル)『ジャッキー・ロビンソン ~人種差別をのりこえたメジャーリーガー~』『伝説のオリンピックランナー“いだてん”金栗四三』『柔道の父、体育の父 嘉納治五郎』(いずれも汐文社)ほか多数。

連絡先=SLAM JAM(03-3912-8857)


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