昨年大みそか、さいたまスーパーアリーナで開催された「やれんのか! 大晦日! 2007」の第5試合で行われた三崎和雄(GRABAKA)×秋山成勲(フリー)の一戦(当日は三崎が1R8分12秒、KO勝ち)で、試合判定をめぐり秋山陣営から抗議文が出されていた。この抗議を受け、大会実行委員会で検討、審議を重ねた結果、三崎がグラウンド状態の秋山の頭部を蹴った行為は「ルールに抵触していると判断せざるを得ない」とし、ノーコンテストの裁定となったことが発表された。
(写真:「やれんのか!大晦日!2007!」が開催されたさいたまスーパーアリーナ)
 なお、大会実行委員会によれば、同イベントは継続的なイベントではないため、この裁定を受けて再試合を組むことを約束するものではないという。

●島田裕二ルールディレクターの見解は以下の通り。
「このたびの秋山選手からの抗議文に対しての競技統括としての見解を述べさせて頂きます。三崎選手の蹴りに対しては反則とも反則でないとも取れます。一連の攻撃の流れで起きた行為ですので、非常に判断が難しいと言わざるえません。しかし、ルール会議において選手及びセコンドには、『本イベントは、旧PRIDEルールとはまったく違う禁止行為のあるルールですので必ず気を付けてください、そして疑わしきは罰します』と通達していました。そうした意味においては選手サイドのルールの把握の乏しさも認識されます。これにより、三崎選手の明らかに四点ポジションにいる選手を蹴りに行く行為自体は、ルールに抵触していると判断せざるえません。つまりその行為自体がフィニッシュにつながり、一方の選手が試合続行不可能になったというケースは、私の経験値で言えば、1999年9月に行われた「マーク・ケアー×イゴール・ボブチャンチン」戦に、非常に近いケースであると思われます。
 よって今回は、ノーコンテストが適切ではないか、というのが協議陣の判断です。
 今後はより一層、選手には疑わしい攻撃をしないという抑止力になればと思います。そして私も益々の精進をしてジャッジング向上をしていく所存です」
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