5日、北京冬季オリンピックのノルディックスキー・女子ジャンプ個人ノーマルヒル決勝が行われ、ウルシャ・ボガタイ(スロベニア)が239.0ポイントで金メダルに輝いた。銀メダルは236.8ポイントでカタリナ・アルトハウス(ドイツ)、銅メダルには232.0ポイントでニカ・クリジュナル(スロベニア)が入った。日本勢最高順位は2018年平昌オリンピック銅メダルの髙梨沙羅(クラレ)が224.1ポイントで4位。伊藤有希(土屋ホーム)が176.7ポイントで13位、勢藤優花(北海道ハイテクAC)が176.5ポイントで14位、岩渕香里(北野建設)が169.6ポイントで18位だった。

 

 14年ソチ大会から採用された女子ジャンプ。W杯通算61勝、年間総合優勝4度の実績を誇る髙梨でも、オリンピックで頂点に立つことは容易ではない。14年ソチは4位、18年平昌は3位。“3度目の正直”とはならなかった。

 

 今季W杯6勝のマリタ・クラマー(オーストリア)、平昌オリンピック金メダリストのマーレン・ルンビ(ノルウェー)が出場しない今大会は、アメリカの大手データ会社グレースノートが大会直前の金メダル予想に髙梨を挙げていた。

 

 2本のジャンプの合計点を競う。髙梨は1本目、K点を越える98.5mで5位につけた。だが上位4人はいずれも100m以上。逆転のためには更なる大ジャンプが必要となる。2本目のジャンプは100mと距離を伸ばしたが順位をひとつ上げるだけにとどまった。

 

 3大会連続の入賞以上と日本の第一人者としての意地は見せたが、本人は「この4年間でたくさんの方に支えていただいた。結果を出すことができず申し訳ない」と肩を落とした。「山あり谷ありの4年間」で迎えた北京オリンピック。勝利の女神は微笑まなかった。

 

(文/杉浦泰介)