7日、北京冬季オリンピックのフィギュアスケート団体最終日が首都体育館で行われ、日本は63点で3位に入り、銅メダルを獲得した。金メダルは74点でROC(ロシアオリンピック委員会)、銀メダルには65点でアメリカが輝いた。過去2大会5位入賞の日本は、同種目初の銅メダルを手にした。

 

 男女シングル、ペア、アイスダンスと4種目の選手が国・地域を代表して戦う団体戦。10チームが出場し、各種目の順位がポイントとなり、その合計点で覇を競う。14年ソチオリンピックから採用され、ここまでロシア、カナダが金メダルを獲得している。表彰台の組み合わせは、過去2大会でロシア(平昌はOARとして参加)、カナダ、アメリカの3チーム。2大会連続の5位入賞の日本にとっては、この3強の牙城を崩したいところだ。

 

 予選は男女シングル、ペアのショートプログラム(SP)、アイスダンスのリズムダンス(RD)を行い、上位5チームまでが決勝(4種目のフリー)に進める。日本は男子シングルSPに平昌オリンピック銀メダリストの宇野昌麿(トヨタ自動車)を起用。アメリカのネイサン・チェンに次ぐ2位で9点を獲得した。続くアイスダンスは小松原美里&小松原尊組(倉敷FSC)が7位、ペアの三浦璃来&木原龍一組(木下グループ)が4位。合計20点の4位で初日を終えた。トップは男子シングルSPとアイスダンスRDの2種目1位のアメリカが28点。その後をROCが26点、中国が21点で続いた。

 

 6日に行われた女子シングルSPは樋口新葉(明大)、男子シングルフリーは18歳・鍵山優真(オリエンタルバイオ/星槎国際高横浜)とオリンピック初出場コンビが躍動。樋口が2位に入り、日本は3位に浮上して決勝進出を果たした。同日の決勝1種目目は、男子シングルフリー。鍵山がトップで10点を稼いだ。合計39点で45点のROC、42点のアメリカに次ぐ3位。表彰台圏内をキープし、4位のカナダには9点差をつけた。1種目で詰められる点差は4が限界のため、残り3種目で9点差はメダル獲得がかなり現実味を帯びてきた。

 

 この日はペアからスタート。三浦&木原が安定したパフォーマンスを見せ、2位に入り、8点を加えた。これで4位のカナダと中国とは9点差。銅メダル以上をほぼ決定付けた。小松原夫妻のアイスダンスは4位で、上位2チームとの差は開いたものの、最終種目女子シングルフリーで坂本花織(シスメックス)が、ほぼミスなしの演技で2位を確保した。最終得点は63点。金メダルのROCには11点差と完敗だったが、2位のアメリカとはわずかに2点差である。

 

 平昌オリンピックメンバーの宇野は「この4年間で日本のレベルが上がり、銅メダルを獲るところまで成長したことに感激しています」と語った。3大会連続出場の木原は「最初から全員が最高のバトンを繋いでくれた」とチームワークの勝利を強調した。これまでは届かなかった表彰台に上がれたのは、男女シングルの奮闘はもちろんだがペアの成長が大きい。結成3シーズン目の三浦&木原組は、今季GPシリーズで2度の表彰台に上がった。今大会のペアでもメダルを狙える位置にいる。8日からは個人戦がスタート。日本勢の躍進に期待したい。

 

(文/杉浦泰介)