10日、北京冬季オリンピックのスノーボード女子ハーフパイプ決勝が雲頂スノーパークで行われ、2回目に88.25点をマークした冨田せな(アルビレックス新潟)が同種目日本人初となる銅メダルを獲得した。妹の冨田るき(チームJWSC)は5位、予選2位通過の小野光希(バートン)は9位だった。金メダルは94.00点のクロエ・キム(米国)で、五輪連覇を達成した。

 

 この種目で日本人初のメダルを獲得した富田せな。「もっと攻めて格好いい演技ができたら」と述べて、決勝に臨んだ。

 

 1回目の演技で86.00の高得点をマーク。2回目の演技でも同じ演技構成を披露した。

 

 勢いよくドロップインすると、フロントサイド900(お腹側に2回転半)、バックサイド540(背中側に1回転半)、フロントサイド720(2回転)、バックサイド720(2回転)と順調に決めていく。

 

 そして最後、フロントサイド1080(3回転)にボードの足と足の真ん中部分を手で掴むグラブを入れる大技を見事に決めて、ゴール。アベレージ到達点3.6メートル、最高到達点4メートルを記録。88.25点で見事、銅メダルを首に飾った。

 

 演技後、冨田せなは言葉を詰まらせながら、「びっくりしています、とても嬉しいです」と喜びの言葉を口にした。

 

 3回目の演技では最初からフロントサイド1080にトライ。攻めた結果、失敗に終わった。それについてはこう語った。

「1本目、2本目を確実に決めて3本目は違ったルーティンで魅せられたらいいなと思っていたんですけど……。転んでしまいましたが、チャレンジできてよかった」

 

 2019年、今回の五輪と同じ雲頂スノーパークで開催されたワールドカップの公式練習中に転倒し、脳挫傷の大怪我を負った。“魔物が棲む”と言われる五輪の大舞台で悪夢を払拭し、雪上で笑顔を咲かせた。

 

(文/大木雄貴)