北京冬季オリンピックのスピードスケート男子500メートル決勝が12日、国家スピードスケート館で行われ、森重航(専大)が34秒49で銅メダルを獲得した。同種目での日本勢のメダルは2010年に行われたバンクーバー大会以来となった。村上右磨(高堂建設)は34秒57で8位、新浜立也(高崎健康福祉大学)はスタートでの失敗が響き35秒12の20位に終わった。

 

 アウトコースの森重は1度フライングの判定をくだされた。難しい仕切り直しを余儀なくされたものの、2回目のスタートは順調に切った。

 

 100メートルの通過タイムは9秒63、全体の5位だった。しかし、ここからが森重の見せ場だった。得意のコーナーワークが冴える。後半は伸びのある滑りを披露。34秒49でフィニッシュ。日本勢ではバンクーバー大会の長島圭一郎(銀)、加藤条治(銅)以来のメダル獲得となった。

 

 レース後、森重はこう語った。

「自分の今日持てる力を発揮できた。スタートラインに立った時は“いつも通り”の気持ちでいたが、フライングでプレッシャーがかかった。その中でも自分のやりたいことができたのでよかった」

 

 この500mで勢いに乗る森重は18日に1000mを控えている。「1000mは世界のシニア大会は未経験ですが、どこまでいけるか挑戦します。全力で頑張ります」と森重。世界に通用するコーナリングテクニックで勝機を見出せるかに注目だ。

 

(文/大木雄貴)