3月1日、2008ゼロックススーパーカップが国立競技場で行われ、第87回天皇杯準優勝のサンフレッチェ広島が2007J1リーグと第87回天皇杯王者の鹿島アントラーズを2−2で迎えたPK戦の末を破り、初優勝を果たした。後半に2点を先行されたが、その後、追いついた。

◇3月1日、国立
鹿島アントラーズ 2−2【PK3−4】 サンフレッチェ広島
[鹿] 本山雅志(49分)、野沢拓也(52分)
[広] 久保竜彦(80分)、佐藤寿人(85分)
 前半から試合は大きく揺れ動く。前半12分、すでに警告を1枚受けていた鹿島DF岩政大樹がGKの保持するボールを奪いにいき、非紳士的プレーで累積退場。数的有利の広島が試合を優位に進めるかと思われたが、広島MF李漢宰が前半38分に2枚目のイエローカードを提示され、退場処分になってしまう。

 10人対10人の戦いで先手をとったのは鹿島。後半4分、MF本山雅志が先制点を挙げると、その3分後には、MF野沢拓也が振り向きざまに目の覚めるようなミドルシュートを突き刺して2−0とした。

 だが、広島も負けてはいない。後半35分、途中出場のFW久保竜彦がPKを左隅に沈めて1点差。同40分には、MF服部公太のクロスにFW佐藤寿人が頭で合わせて、同点に追いついた。

 2−2で突入したPK戦で明暗が分かれた。3人目のMFダニーロ、4人目の本山が失敗した鹿島に対して、広島は4人目のFWユキッチ以外が全員成功。5人目の佐藤が、最後は左上に突き刺して勝負を決めた。PK戦直後、佐藤のPKを一度はストップしたが、キック前に動いていたとして、やり直しを命じられたことに鹿島GK曽ヶ端が不満を表し、イエローカードをもらう一幕もあった。

 J2に降格したクラブの大会優勝は初めて。試合後、起死回生の同点弾を叩き込み、PK戦でも最後のキッカーの重責を果たした佐藤は「(PK戦では)一度は外してしまったけれど、しっかり決めることができてよかった。(J1の鹿島を倒した)自信をJ2のリーグ戦にぶつけて、素晴らしいサポーターと一緒にJ1へ帰ってきたい」と一週間後に始まるJリーグに向けて、意気込んでいた。
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