3月5日、東京・国立代々木競技場第一体育館で旗揚げされる新格闘技イベント「戦極−SENGOKU−」の前日記者会見が4日、都内ホテルにて行われた。会見には戦極を主催・運営するワールドビクトリーロード(WVR)の木下直哉代表、出場を予定している14選手が出席、大会への意気込みなどを語ったが、藤田和之(藤田事務所)が対戦相手のピーター・グラハム(A・E FACTORY)の挑発に激怒し、途中で会見場を退出するという騒動が起きた。
 会見ではまず木下代表が「世界最高峰の最強のファイターが揃った。明日は我々のスタート。14人の選手とともに素晴らしい戦いに注目してほしい」と挨拶。続いて出場選手がカード順に登場し、それぞれ意気込みを語った。
 会場の雰囲気が一変したのは、第4試合で藤田と対戦するピーター・グラハムがマイクを手にしたときだった。
「他のみなさんと同じく勝ちに来たわけだが、藤田選手は昨年大みそかの『Dynamite!!』で対戦が決まっていたのに逃げられ腹が立っている。彼のキャリアは明日で終わりになるだろう。古い選手は去って、新しい選手である自分がこれから活躍していくだろう」
 グラハムのこの発言に、通訳がすべてを訳す前に藤田が“キレた”。「こんなムナクソ悪いヤツと試合するの初めて。このトサカ野郎! 明日ボコボコにしてやる」と語ると、グラハムに近寄り両手で胸を押すとあわや乱闘かという状況になったが、吉田秀彦やジョシュ・バーネットらが間に止めに入り、場を抑えた。しかし怒りの収まらない藤田はそのまま会見場を退出。その後ろ姿に向かってグラハムは「バダ・ハリを倒した蹴りでお前も倒してやる!」と息巻いた。
 会場に残ったグラハムは、藤田の「トサカ野郎」発言に対し「彼は私の髪型が気に入らなかったようだが、彼のおじいさんが着るようなジャケットもどうかと思う。お互いさまだ」と皮肉たっぷりに語った。

 イベントのメーンを務めるのは吉田秀彦(吉田道場)とジョシュ・バーネット(フリー)。まずはジョシュが「ヨシダさんとは昔からの友人だが、今回はお互いにプロとして戦いたい。顔面を踏みつけ合うようなことがあっても、リングから下りればその友情に変わりはないもだと思っている。キャッチレスリングが柔道家を倒すという歴史を続けていきたい」とコメント。
 一方の吉田は、3日、ジョシュが囲み取材の際、「北斗百裂拳で勝つ」とコメントしていたことを受け、「北斗百裂拳をぜひ破りたい」と語り、報道陣を笑わせた。
 注目される柔道着を着るかどうかについて吉田が「まだ(着るかどうか)考えてないんですけど、北斗百裂拳を破るには着たほうがいいんですかね?」と語ると、ジョシュは「ぜひ着た方がいいと思う。ピンクか紫色のものを着てきてほしい」とリクエスト。両者のやり取りは穏やかのままに終わった。

 このほか、五味隆典(久我山ラスカルジム)×ドゥエイン・ラドウィック(ハイ・アルティチュード)、三崎和雄(GRABAKA)×シアー・バハドゥルザダ(ゴールデングローリー)、瀧本誠(吉田道場)×エヴァンゲリスタ・サイボーグ(シュートボクセアカデミー)など注目の日本人ファイターが外国勢に挑む。
 注目のカードが出揃い、いよいよ「戦極」の幕が開く。


「戦極−SENGOKU−」
2008年3月5日、東京・国立代々木競技場第一体育館
開場17:00 開始18:30

<第1試合>
ファブリシオ“ピットブル”モンテイロ(ブラジル/グレイシーバッハ・コンバットチーム)×ニック・トンプソン(アメリカ/フリースタイル・アカデミー)

<第2試合>
川村亮(パンクラスism)×アントニオ・ブラガ・ネト(ブラジル/グレイシー・フュージョン)

<第3試合>
瀧本誠(吉田道場)×エヴァンゲリスタ・サイボーグ(ブラジル/シュート・ボクセ・アカデミー)

<第4試合>
藤田和之(藤田事務所)×ピーター・グラハム(オーストラリア/A・E FACTORY)

<第5試合>
三崎和雄(GRABAKA/PRIDEウェルター級GP2006覇者)×シアー・バハドゥルザダ(アフガニスタン/ゴールデン・グローリー/第5代修斗世界ライトヘビー級王者)

<第6試合>
五味隆典(久我山ラスカルジム/PRIDEライト級王者)×ドゥエイン・ラドウィック(アメリカ/ハイ・アルティチュード)

<第7試合>
吉田秀彦(吉田道場)×ジョシュ・バーネット(フリー)
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