(写真:3月10日に東京・目黒で開かれた記者会見後のショット<左2人目から順に伊澤、サトシ、榊原CEO、浜崎、牛久、斎藤裕> ⓒRIZIN FF)

 2022年のRIZINは、イベント数を一気に増加させている。

 2月・静岡での『RIZIN TRIGGER 2nd』を皮切りに、3月6日には『RIZIN LANDMARK vol.2』を開催。そして3月20日(日)には、大阪での『RIZIN.34』(萩原京平、皇治らが出場)を控える。

 さらに4月の2大会も昨日(3月10日)の記者会見で発表された。

 4月16日(土)『RIZIN TRIGGER 3rd』

 4月17日(日)『RIZIN.35』

 場所はいずれも、武蔵野の森総合スポーツプラザ メインアリーナ(東京・調布市)。

 

 ケージとリングを使い分けての2連戦となるが、注目は『RIZIN.35』での3大タイトルマッチだ。ベルトをかけての試合が3つ組まれるのはRIZIN史上初めてのこと。カードは次のように決定している。

 

▶RIZINライト級(71キロ以下)タイトルマッチ

ホベルト・サトシ・ソウザ(王者/ボンサイ柔術)vs.ジョニー・ケース(挑戦者/米国)

▶RIZINフェザー級(66キロ以下)タイトルマッチ

牛久絢太郎(王者/K-Clann)vs.斎藤裕(挑戦者/パラエストラ小岩)

▶RIZIN女子スーパーアトム級(49キロ以下)タイトルマッチ

浜崎朱加(王者/AACC)vs.伊澤星花(挑戦者/フリー)

 

 女子の世代交代はあるのか?

 

 3試合すべてが、リマッチだ。

 サトシとジョニーは2019年10月(『RIZIN.19』)以来の対峙。前戦ではジョニーが右アッパーを炸裂させ僅か75秒でTKO勝利を収めている。王者としてサトシはリベンジに挑むことになる。

 牛久と斎藤は、昨年10月(『RIZIN.31』)以来、約半年ぶりの顔合わせ。牛久の跳び膝蹴りで斎藤が、まさかのTKO負けを喫したシーンは記憶に新しい。斎藤がベルトを奪い返すのか、牛久が前回の勝利がアップセットではなかったと証明するのか……興味深い。

 

(写真:昨年大晦日『RIZIN.33』第11試合で浜崎に強烈なパウンドを見舞う伊澤 ⓒRIZIN FF)

 そして、女子スーパーアトム級のベルトを賭けての一戦は「世代抗争」でもある。

 昨年大晦日、ふたりの闘い(ノンタイトル戦)の結末は、あまりに衝撃的だった。絶対王者・浜崎が15歳年下の伊澤に力負けし、2ラウンドTKOで敗れたのだ。

「ベルトは持っているが、一度負けているので挑戦者の気持ちで闘う」と話す浜崎にとって、今回の試合は正念場となる。

 前戦を観る限り、優位なのは新星・伊澤だろう。

 世代交代となる可能性が高いと見るが、浜崎にも意地がある。大方の予想を覆してリベンジを果たせるか? 2022年の女子格闘技の方向性をも決める大一番である。

 

 いずれの試合にも、リマッチならではの独特の緊迫感が漂う。

 また、外国勢の参戦を含めた追加カードは今後、順次発表される予定だ。

 

(直近の注目格闘技イベント)

▶3月12日(土)、東京・後楽園ホール/「KNOCK OUT 2022 vol.2」女子ミニマム級王座決定戦、ぱんちゃん璃奈vs.喜多村美紀ほか

▶3月12日(土)、東京・竹芝ニューピアホール/「DEEP JEWELS 36」フライ級GP1回戦、中井りんvs.藤田翔子ほか

▶3月13日(日)、大阪沖縄会館/「ACF 71st」ハンマー鈴木vs.中井大喜ほか

▶3月19日(土)、京都府立体育館/プロボクシングWBC世界ライトフライ級タイトルマッチ、矢吹正道(緑)vs.寺地拳四朗(BMB)

▶3月20日(日)、丸善インテックアリーナ大阪/「RIZIN.34」萩原京平vs.弥益ドミネーター聡志ほか

▶3月21日(祝)、東京・後楽園ホール/「プロ修斗公式戦 2022 vol.2」バンタム級タイトルマッチ、岡田遼vs.安藤達也ほか

▶3月26日(土)、東京・後楽園ホール/「Krush.135」バンタム級タイトルマッチ、壬生狼一輝vs.池田幸司ほか

▶3月27日(日)、東京・後楽園ホール/「RISE156」フェザー級王座決定戦、平野凌我vs.梅井泰成ほか

▶4月2日(土)、東京・国立競技場代々木第一体育館/「RISE ELDORADO 2022』那須川天心vs.風音ほか

▶4月3日(日)、東京・国立競技場代々木第一体育館/「K-1 WORLD GP 2022 JAPAN ~K’FESTA.5~」無差別級1dayトーナメントほか

 

近藤隆夫(こんどう・たかお)

1967年1月26日、三重県松阪市出身。上智大学文学部在学中から専門誌の記者となる。タイ・インド他アジア諸国を1年余り放浪した後に格闘技専門誌をはじめスポーツ誌の編集長を歴任。91年から2年間、米国で生活。帰国後にスポーツジャーナリストとして独立。格闘技をはじめ野球、バスケットボール、自転車競技等々、幅広いフィールドで精力的に取材・執筆活動を展開する。テレビ、ラジオ等のスポーツ番組でもコメンテーターとして活躍中。著書には『グレイシー一族の真実 ~すべては敬愛するエリオのために~』(文春文庫PLUS)『情熱のサイドスロー ~小林繁物語~』(竹書房)『プロレスが死んだ日。』(集英社インターナショナル)『ジャッキー・ロビンソン ~人種差別をのりこえたメジャーリーガー~』『伝説のオリンピックランナー“いだてん”金栗四三』『柔道の父、体育の父 嘉納治五郎』(いずれも汐文社)ほか多数。

連絡先=SLAM JAM(03-3912-8857)


◎バックナンバーはこちらから