ボストン・レッドソックスとコロラド・ロッキーズのワールドシリーズ第2戦は26日、レッドソックス本拠地のフェンウェイ・パークで行われ、レッドソックスが2−1で逃げ切って連勝した。8回にはレッドソックス岡島秀樹とロッキーズ松井稼頭央によるワールドシリーズ初の日本人対決が実現。岡島はフルカウントから松井を空振り三振に仕留め、2回3分の1をパーフェクトに封じた。
 大ベテランのシリング、6回途中1失点の力投(レッドソックス2勝、フェンウェイ・パーク)
コロラド・ロッキーズ   1 = 100000000
ボストン・レッドソックス 2 = 00011000×
勝利投手 シリング(1勝0敗)
敗戦投手 ヒメネス(0勝1敗)
セーブ   パペルボン(1S)

 わずか8球の勝負だった。しかし、日本人メジャーリーガーの歴史に大きな足跡を残す勝負だった。
 ひのき舞台で初となる対決が実現したのは8回。1死無走者で右バッターボックスに松井が入る。マウンドには6回途中からパーフェクトリリーフを続ける岡島が立っていた。初球、143キロのストレートがミットに力強くおさまった。

 2球目から岡島はカーブを連投する。高め低めと1球ずつ抜け、4球目はストライク。5球目は4球連続となるブレーキングボールを低めへ投じると、松井はこれをカットし、逃れた。

 次のボールは141キロストレート。やや力んで上ずり、カウントは2−3となる。勝負を決める球はチェンジアップか、カーブか、それとも再びストレートか……。岡島は指でボールを挟み、最後の1球を投じた。選択したのチェンジアップだった。ボールは抜けず高めに浮いたが、挟んでいた分、スピードが殺され、前に投げたストレートと緩急の差がついた。

 タイミングをずらされた松井のバットはまもなく空を切った。空振り三振。歴史に残る対決を制した岡島はここでマウンドをジョナサン・パペルボンに託す。6回途中から2回3分の1を4奪三振、ひとりの走者も出すことなく、役割を果たした左腕リリーバーにホームの観客は万雷の拍手をおくった。

 レッドソックス連勝の立役者はなんといってもピッチャーに尽きる。岡島、パペルボンのラストを締めくくる必勝リレーはもちろん、この日も先発のカート・シリングが力投をみせた。01年はダイヤモンドバックス、04年にはレッドソックスで世界一に貢献した右腕は、初回に1点を失ったが、2回以降は危なげない投球で相手に流れを渡さなかった。

 41歳の大ベテランのピッチングに触発され、レッドソックスは4回に追いつき、5回はマイク・ローウェルのタイムリーで勝ち越しに成功する。前日の大勝とは一転した1点差ゲームをモノにし、最高の形で敵地に乗り込むことができた。

 移動日を1日挟んだ第3戦、いよいよレッドソックス・松坂大輔がワールドシリーズの先発マウンドにあがる。松井との元ライオンズ対決は歴史の1ページにどんな結果を記すのか。注目の一戦はロッキーズの本拠地クアーズ・フィールドで日本時間28日9時プレーボールだ。

【松井成績】
「2番・セカンド」で先発出場
 4打数0安打
第1打席 中飛
第2打席 見逃三振
第3打席 遊飛
第4打席 空振三振
※第4打席は岡島と対決
◎バックナンバーはこちらから