3月、セガサミーは公式戦JABA東京スポニチ大会、JABA東京都企業春季大会の2大会に出場しました。試合をするごとに課題と収穫は出てくるものです。スポニチ大会は2試合(1勝1敗)、東京都春季大会では3試合(1勝2敗)をこなし、投手は11人中10人、野手全員を起用することができました。出遅れていた投手、経験の浅い選手たちを実戦で使えたことは収穫ですね。

 

 それでは3月の2大会を振り返ってみたいと思います。スポニチ大会の西濃運輸戦は風が強く、肌寒い難しいコンディションの中、先発の舘和弥はよく投げていました。6回途中まで1失点。試合をつくってくれました。バッターは期待の大谷拓海が2ランホームランを放ちました。この一発は打った瞬間にそれとわかる当たりでした。今季は外野のレギュラーだった本間諒、市根井隆成が抜けましたが、その穴を大谷が埋めつつある。あまり表情に出さないタイプですが、練習から守備にしても走塁にしても意識が変わってきている印象があります。

 

 これを継続していけば走攻守でいい結果がついてくるはずです。中央学院高校時代から注目されてきた選手ですが、この秋のドラフト指名も見えてきたと思います。今季で4年目。波を小さくし、いいところで打点をあげて欲しい。彼には出塁率、長打力を求めています。誘い球に手を出さず、甘い球を見逃さないこと。コンスタントに成績を残していって欲しいですね。

 

 スポニチ大会は日立製作所戦で、ルーキーの黒川貴章が1本塁打を含む3安打4打点。打席での読みが当たり、内容も良かった。あの試合を見る限り、三冠王を獲るぐらいの勢いでしたね。今後に期待できる活躍ぶりでした。ただ相手チームも研究してきます。東京都企業春季大会は疲れもあったのか9打数1安打でした。

 

 主にショートを務めた守りの面では無難にこなしていました。ポジションを与えることによって責任感も出てくるはず。その緊張感、プレッシャーに打ち克つことで成長できる。黒川は私と似た“良い加減”を持っている感覚派の選手。引き続き活躍できるように日々の練習から高い意識を持ち、取り組んでいって欲しいですね。

 

 同じくルーキーの長島光希がスポニチ大会2試合を投げました。西濃運輸戦では4番手で1回2/3を無失点に抑え勝ち投手。関東大学出身の長島は球の出し入れがしっかりできるコントロールの良いピッチャーです。今後も期待しています。

 

2連敗はいい薬

 スポニチ大会は予選リーグを2勝(1試合不戦勝)1敗と準決勝には進めませんでしたが、ある程度戦える目処が立ったというところでしょうか。トーナメント戦の東京都企業春季大会は初戦をモノにしたものの、準決勝と3位決定戦では敗れてしまいました。2連敗で終わったのは反省材料ですね。

 

 準決勝のNTT東日本戦は2安打無得点と相手ピッチャーに抑えられました。10安打を浴びながら2失点で踏ん張った草海光貴を援護することができず……。3位決定戦の明治安田生命戦はタイブレークの末に敗れてしまいました。ノーアウト一、二塁という局面をいかに生かすか。11回に中川智裕、12回には西村僚太がつないでくれましたが、得点は12回の1点のみ。結局、その裏に追いつかれ、13回にはサヨナラ打を浴びました。

 

 タイブレークは社会人野球ならではのルールですが、監督としてはやり甲斐のあるものです。今回はスクイズやギャンブルスタートなど動かすことをせず、得点圏で打てるかを試しました。惜しくも結果は出ませんでしたが、その選択に後悔はありません。

 

 東京都春季大会の2連敗という結果は、都市対抗予選に向け、いい藥になったと思います。もしこれが都市対抗予選で2連敗していたら本選には進めません。私たちスタッフ陣を含め、次に生かせる反省材料にしたいと思います。

 

 今季のセガサミーはリリーフ陣を含めバラエティーに富んだ投手陣です。あとは飯田大翔とルーキーの古屋敷匠眞が一皮むけてくれれば、戦力はさらに厚みを増します。今季はエンターテインメント性に溢れるチーム。超エリート軍団ではないけど、明るく元気が良い。勢いに乗ることができれば爆発力のあるチームです。4月以降も応援よろしくお願いします!

 

 さて、プロ野球は3月25日に開幕しました。今季は延長12回まで実施されるため、昨季とは違った継投策が見られるでしょう。例えば9回同点の場面でクローザーを使うのか、9回にクローザーが追いつかれた後の延長戦での継投はどうなるのか。12回で引き分けてもいいと考えるのか、あくまで勝ちにこだわる起用法を選ぶのか。その意味で今季は楽しみが増えましたね。また古巣のカープは末包昇大、中村健人ら期待の社会人出身ルーキーたちがどこまで活躍してくれるか注目です。

 

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