4月末からセガサミーはJABA京都大会を戦っていますが、締め切りの都合上、今月は15日から行われたJABA岡山大会を振り返りたいと思います。

 

 初戦のパナソニック戦は0-3で敗れました。パナソニックのエース左腕・榎本亮投手に、セガサミーのエース草海光貴を当てました。草海は失点2で抑えたものの、打線の援護がなかった。2安打に封じられたとはいえ、得点圏にランナーを進められなかったわけではありません。初回は先頭の植田匡哉がツーベースで出塁し、続き北川智也が送って1死三塁でクリーンアップを迎えました。しかし、点が取れなかった。勝ち切るチームになるためには、先取点を奪いたかったですね。打つべき人が打たないとチームはなかなか波に乗れません。

 

 中心選手は波を小さくし、勝負所で結果を出して欲しいですね。打てる球をきちんと打てるかどうか。バッティングカウントで甘い球を仕留める。追い込まれたら粘る。厳しい球を見極めていけるようになれば確率も上がりますからね。中軸を任せる選手にはOPS(出塁率+長打率)を求めたい。1試合に1本か2本ヒットを放ち、打点を挙げること。注文は厳しいかもしれませんが、それくらいできる選手たちです。今後に期待したいと思います。

 

 1番の植田は岡山大会3試合、いずれもヒットを放ち、打率3割6分4厘でした。彼は苦手なボールが少ないので、対戦するピッチャーにとっては捉えどころないようなバッターです。欲を言えば、もう少し出塁率を上げてくれれば、もっといい選手になれると思います。昨年の都市対抗野球大会東京2次予選、第3代表決定戦では延長18回に決勝ホームランを打った。岡山大会でもJFE西日本戦で3回に同点弾を放つなど、長打力も秘めていますから、1番か3番で使いたいと考えています。

 

 投手陣は頭数が揃ってきました。3試合で4失点。よくやってくれていると思います。リリーフの石垣永悟、氏家優悟、伊波友和の3枚が非常に安定している中、横田哲と森井紘斗は岡山大会の2試合にリリーフ登板し、無失点。使える目途が立ってきたことは収穫です。2年前はドラフト候補にも挙げられた森井ですが、フォーク、スライダー系の球がきちんとコントロールできるようになれば短いイニングならプロでも通用するポテンシャルはあります。メンタル的にもリリーフ向きかもしれないと感じています。

 

 佐々木朗希、真のエースへの期待

 先発は草海と舘和弥がいるので、もう1枚は欲しいところ。それに草海はパナソニック戦、先月の東京都企業春季大会のNTT東日本戦も7回2失点でまとめているだけに早く勝ち星を付けてやりたいですね。過去2年間の都市対抗で防御率0点台と非常に安定感のあるピッチャーです。飯田大翔はピッチングにまだムラがあるので、そこを改善できれば十分にローテーションに入る力を持っていますし、入ってきて欲しいですね。セガサミーには素材がいい選手が揃っている。そこから一皮、二皮むけてくれると監督としてはありがたいです。

 

 プロ野球に目を移すと、千葉ロッテの高卒3年目・佐々木朗希投手が4月10日のオリックス戦で完全試合を達成しました。コンスタント150kmを出すピッチャーなんてなかなかいません。彼にはさらに速いフォーク、緩いカーブがある。真っ直ぐで強弱をつけられるなど、素晴らしい能力を持っている。こういうスターが現れてくれたことは、日本球界にとって、明るい話題ですね。加えてNPBタイ記録の1試合19奪三振。三振の少ない吉田正尚選手から3三振を奪ったわけですから圧倒的なピッチングでした。

 

 翌週の北海道日本ハム戦でも8回をパーフェクトピッチング。試合は0-0のまま進み、井口資仁監督は9回表のマウンドを別のピッチャーに託しました。私は本人が降板に納得しているならば、それでもいいと思います。もし私が監督だったら? 彼のコンディションに問題がないならば9回表は投げさせたと思います。9回を抑え、その裏にサヨナラ勝ちという可能性に賭ける。そこで延長戦に入ったら代えていたでしょうね。

 

 ひとつ注文をつけるとしたら、いずれもホームでのピッチングです。この先、中5日でローテーションを守り、真のエースとなるためにはビジターでも圧倒的なピッチングをすることが求められます。例えば交流戦で、甲子園球場やマツダスタジアムでのパーフェクト達成を見てみたい。完全試合という偉業は簡単にできるものではありませんが、それだけ大きな期待を寄せたくなるピッチャーであるということだとも言えるでしょう。

 

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