女子バスケットボールリーグ「Wリーグ」のセミファイナルが9日よりスタートする。会場は東京・代々木第二体育館。セミクォーターファイナル、クォーターファイナルを勝ち上がり4強入りを果たしたのはシャンソン化粧品シャンソンVマジック、富士通レッドウェーブ。それぞれレギュラーシーズン2位のトヨタ自動車アンテロープス、同1位のENEOSサンフラワーズと対戦する。

 

 レギュラーシーズンの順位でいえば、一番下になるのが6位のシャンソン化粧品だ。昨季はチームの黄金期を築いた李玉慈HCが復帰し、プレーオフ進出を果たしたものの、セミクォーターファイナルで三菱電機コアラーズに敗れ、7位タイで終えた。今季はレギュラーシーズン13勝11敗と6位でプレーオフ進出。セミクォーターファイナルで三菱電機に雪辱し、クォーターファイナルではレギュラーシーズン3位のデンソーアイリスを破り、“下克上”を果たした。

 

 キャプテンのPG小池遥は「ベスト4の目標は達成できましたが、それ以上の結果を出せるように頑張っていきます」と意気込んだ。セミファイナルで戦うトヨタ自動車とはレギュラーシーズンで2敗と分が悪いが、クォーターファイナルで勝ったデンソーとも2敗だったと考えれば、それほどマイナス要素ではない。小池が「1人1人の能力が高く、どこからでも点が取れるという印象」という高さも速さもある昨季女王のトヨタ自動車の攻撃を、いかに食い止めるかがカギとなりそうだ。

 

 インサイドでの不利は否めないが、そこはシュート精度で補いたい。セミクォーターファイナルで46.2%、クォーターファイナルでは49.3%をマークしたフィールドゴール成功率をマークした。攻撃の中心となるのが、ルーキー𠮷田舞衣だ。拓殖大学4年時の昨季はアーリーエントリーで加入。シーズン終盤6試合で平均16得点を挙げたが、プレーオフでは6得点に終わった。「ルーキーらしさを感じないプレー。スリーポイントだけでなくドライブやアシスト、ディフェンスもやってくれる。頼もしい」と小池が語るように、今季は昨季以上のインパクトを残している。全24試合に出場、リーグ6位の14.08得点を記録した。

 

 𠮷田はプレーオフでも大活躍。セミクォーターファイナルは17得点5スティール、クォーターファイナルは16得点7リバウンドと4強入りに大きく貢献した。「昨季は何も分からないような状態でいろいろな経験をさせてもらった。今季はコートに立ったら自分が任されていることを果たせるようにプレーしています」と𠮷田。昨季以上の存在感を見せる背番号14の決定力に注目だ。

 

(文/杉浦泰介)