10日、プロ野球の千葉ロッテ対オリックス3回戦が千葉・ZOZOマリンスタジアムで行われた。先発の佐々木朗希が完全試合を達成したロッテが6-0で勝利。佐々木は初回2死からNPB新の13者連続奪三振を記録するなどNPBタイ記録の19奪三振をマークした。

 

 佐々木朗、105球で28年ぶりのパーフェクト(ロッテ2勝1敗 ZOZOマリン)

オリックス

0=000|000|000

6=100|050|00✕

千葉ロッテ

勝利投手 佐々木朗(2勝)

敗戦投手 宮城(2敗)

 

“令和の怪物”が190cmの長身から繰り出す最速164kmのストレート、140km台後半のフォークを武器に、オリックス打線をねじ伏せた。

 

 今季3度目の先発は同学年のサウスポー宮城大弥と投げ合った。初回は先頭の後藤駿太、ブレイビック・バレラを内野ゴロに打ち取ると、3番の吉田正尚を打席に迎えた。2年連続首位打者を2球で追い込み、148kmのフォークで空振り三振に仕留めた。

 

 これが奪三振ショーの始まりだった。1回裏にチームが先制点を奪い、1点のリードで迎えた2回はランヘル・ラベロ、福田周平、西村凌をいずれもフォークで空振り三振を奪った。3回は紅林弘太郎、福永奨、宜保翔を連続三振。7者連続三振で1巡目を終えた。

 

 2巡目も後藤、バレラを三振。これで阪急の梶本隆夫(57年)、東映の土橋正幸(58年)が記録した1試合連続奪三振のNPB記録に並んだ。新記録更新は吉田。カーブ2球で追い込むと、フォークを1球ファウルされた後、再びフォークで空振り三振を奪った。

 

 連続奪三振は5回も続き、6回の先頭・紅林にセンターフライを打たれたところで止まった。それでも圧巻の13連続奪三振だ。福永はキャッチャーファウルフライ、宜保は空振り三振でスコアボードに0を並べ続ける。その裏、キャッチャー松川虎生の3点タイムリーなどで5点を追加、ロッテがリードを6点に広げた。

 

 7回、3巡目の後藤にはカウント3-0とボールが先行したが、ライトフライに打ち取った。バレラは160km台のストレートで追い込み、セカンドゴロに抑えた。

 

 この日、3回目の吉田との対戦は3球ストレートを続けた。4球目はフォークで空振りを奪い、カウントは2-2。最後は163kmのストレートがズバッと、松川のミットに収まった。吉田は手が出ず見逃し三振。8回は3者連続三振で終え、パーフェクト達成まで、あと1イニングとした。

 

 観客から万雷の拍手で迎えられた最終回。自身最長となる9回のマウンドに上がった。オリックスは代打攻勢を仕掛けてきた。中川圭太、山足達也は内野ゴロ。2死ランナーなしで登場したのが昨季ホームラン王の杉本裕太郎だ。佐々木は2球で追い込むと、この日の105球目はフォークを投じた。杉本のバットは空を斬り、ゲームセット。3年目の20歳が完全試合という快挙を達成した。

 

 チームメイトからはペットポトルの水をかけられ、祝福のシャワーを浴びた。笑顔がこぼれる佐々木。巨人の槙原寛己が1994年に記録して以来、28年ぶり16人目のパーフェクトピッチングだ。令和では初の達成となった。また最後の三振で奪三振は19個目。オリックスの野田浩司が1995年に記録したNPB1試合最多奪三振記録に並んだ。記録ずくめのピッチングで、“怪物”ぶりを遺憾なく発揮した。

 

(文/杉浦泰介)