今年の夏の甲子園は8月5日に開幕するが、長年、炎天下での連戦による選手の酷使が問題視されている。今春のセンバツでは準優勝した済美(愛媛)の2年生エースの安楽智大投手が、決勝までの5試合合計で772球をも投げ、投球過多ではないかとの論議を呼んだ。日本高校野球連盟は、1993年の夏から球児の肩肘検査を導入し、今大会からは準々決勝後の休養日を設ける措置を講じている。しかし、連投や球数に対する規定はなく、日程に関しても天候次第で休養日はなくなる。将来ある球児たちの負担を軽減する上で、根本的な解決策とは言い難い。14年前に“甲子園の弊害”を指摘した原稿で、この問題を再考しよう。
五輪金メダリストvs.東洋太平洋王者――。ロンドン五輪でボクシングのミドル級を制した村田諒太のプロデビュー戦の相手が、柴田明雄に決まった。柴田は東洋太平洋同級王者であり、日本スーパーウェルター級の現2冠王者。デビュー戦としては異例のカードとなった。村田が勝利すれば、プロ2戦目にして日本タイトルに挑戦する可能性も出てくる。ただ世界のミドル級は激戦区で、これまで日本人で王者となったボクサーは竹原慎二(WBA)ひとりしかいない。1995年、竹原が日本スポーツ史に残る偉業を成し遂げた陰には、福田洋二トレーナーの存在があった。快挙の舞台裏に、16年前の原稿で迫ろう。
FWの黒崎比差支は言う。 「ジョルジーニョがボールを蹴る時、インフロントかインステップかインサイドかを注意深く見るようにしています。要するに味方がシュートしやすいキックは何かということを彼は瞬時に判断しているわけです」
「左足のアウトサイドの使い方が抜群に巧いんです」 再度の取材で、都並は驚くべきことを言った。左サイドで働くプレーヤーの左足アウトサイドといえば、タッチラインに向いているのが普通である。その部分を使って、どうやって自らの右に位置しているプレーヤーにパスを出すというのか。日本人なら並の選手でインサイド、巧い選手でもインフロントの部分を使うのがせいぜいである。
この15日で20歳となったJリーグを実力面でリードしてきたクラブは、鹿島アントラーズだ。これまで獲得した主要タイトル16冠はJクラブ史上最多である。初のJリーグ王座に輝いたのが、96年。ブラジル代表のアメリカW杯優勝にも貢献したレオナルド、ジョルジーニョを擁して、頂点に立った。特にレオナルドのテクニックは異彩を放ち、95年の横浜フリューゲルス戦でのボレーシュートは観る者に衝撃を与えた。リフティングで完全に相手を翻弄して決めた得点は、Jリーグが17日に発表したベストゴールでも1位に輝いた。鹿島が迎える黄金期の旗頭となったブラジル人助っ人を、18年前の原稿で紹介する。
私はその時の気持ちを、おおよそ以下のような内容で本誌にも書いている。 ――ミスターは普通のノッカーがそうするように右手でボールをトスしない。左手でトスし、素早くその手でグリップエンドを握るのだが、この時のトップの位置が恐ろしいほどピタリと決まるのだ。 さらにスイングした瞬間、右肩から左腰にかけてユニホームに流線型のシワが寄る。このシワこそは動的な美しさのシンボルであり、まさにバットを振り抜いたその直後、私たちの目は背中の「3」に釘付けになる。
長嶋茂雄と松井秀喜。5月5日、日本プロ野球界に偉大な足跡を残した師弟が揃って、国民栄誉賞を受賞する。長嶋は、超高校級スラッガーと騒がれた松井の指名権をドラフト会議の抽選で引き当て、プロ入り後は、付きっきりの指導で球界を代表する4番打者に育て上げた。その中で生まれた師弟愛は、昨年末の松井の引退会見でのコメントからも明らかだ。松井は、一番の思い出に「長嶋監督と一緒に素振りした時間」をあげている。ミスタージャイアンツの存在は、松井にとっても特別なものだった。戦後最大のヒーロー・巨人の背番号3の実像を、12年前の原稿で映し出そう。
昨季、大分トリニータはJ26位からの“下剋上”でプレーオフを勝ち抜き、J1復帰を果たした。この立役者は、指揮官の田坂和昭である。現役時代は守備的MFとして、ベルマーレ平塚などで活躍し、日本代表にも選出された。現役引退後はセレッソ大阪、清水エスパルスのコーチなどを経て、11年から大分の監督へ。だが就任当時の大分は、まさにどん底の状態にあった。前年にはJ2に降格。財政難などにより主力選手はチームを離れていった。そんな逆境下でも、田坂はコンバートなどでやり繰りを重ね、見事、クラブを立て直した。 大分を率いる闘将の熱き魂を、新人王を獲得したばかりの94年当時の原稿で振り返る。
22日に春のセンバツ高校野球大会が開幕する。出場36校の注目校のひとつは9年ぶりの2度目の出場の愛媛・済美高校だ。指揮を執るのは名将・上甲正典。監督として、宇和島東と済美を春夏合わせて15度の甲子園出場に導いた。センバツでは88、04年と両校で1度ずつ頂点に立っている。今大会は、MAX152キロの直球を誇る1年生エースの安楽智大を擁し、上位進出に期待がかかる。初戦は広島・広陵との対戦(26日)が決まった。 試合中のベンチでは笑顔を絶やさない“上甲マジック”の秘密を、済美で初出場初優勝を成し遂げた04年の原稿で振り返る。
WBCが2日、開幕した。3連覇を目指す日本は、1次ラウンド初戦でブラジルを下し白星スタートした。今大会、日本の最大のライバルになりそうなのがベースボール大国アメリカだ。今回にかける意気込みは、ジョー・トーリを監督に据えたことでも窺い知れる。トーリは、1996年から名門ヤンキースを率いて4度のワールドシリーズ制覇を果たした名将。歴代5位となる通算2326勝をあげた名指揮官が、ジョー・マウアー(ツインズ)、マーク・テシェイラ(ヤンキース)、R.A.ディッキー(ブルージェイズ)らスター軍団をまとめ上げる。 そんなトーリの人心掌握術を、11年前の原稿でチェックしよう。
まさに“3度目の正直”だ。7日、JRAが新規騎手免許試験の合格者6人を発表し、大井競馬出身の戸崎圭太にも待ちに待った朗報が届いた。戸崎は2005年、11年度と受験して不合格となっており、3度目にしてようやく念願叶ったかたちだ。地方競馬出身のJRA騎手はこれで計10人目。G1レース22勝の実績を残し、先日引退を発表した安藤勝己、リーディング(年間最多勝)争い常連の岩田康誠、内田博幸らトップジョッキーも数多くいる。地方競馬の全国リーディングに4度も輝いた大井のスター騎手は、主戦を中央競馬に変えて、どんな手綱さばきを見せるのか。失敗から学び、成長してきた騎手としての半生を、3年前の原稿で振り返る。
プロ野球12球団のキャンプがスタートした。今年は3月にWBCが行なわれるため、日本代表候補たちの動向に注目が集まる。昨季日本一の巨人・長野久義もそのひとりだ。長野は、他球団からの指名を2度拒否して、2010年に巨人入り。1年目に打率2割8分8厘、19本塁打、52打点の成績で新人王に輝いた。翌11年には打率3割1分6厘をマークし、首位打者を獲得。入団2年目での首位打者は、巨人では長嶋茂雄以来、52年ぶりの快挙だった。3年目の昨季は全試合に出場し、リーグ最多安打(173)を記録。主に1番打者として、交流戦、レギュラーシーズン、日本シリーズなど5冠達成に貢献した。巨人はもちろん、侍ジャパンでも活躍が期待される長野の一途な思いを、ルーキー時の原稿で紹介しよう。
“魂のストライカー”がプロ19年間の現役生活に幕を下ろした。昨年12月、コンサドーレ札幌のFW中山雅史が引退を発表した。中山はジュビロ磐田のエースとして、チームの黄金期を支え、Jリーグで3度の年間優勝に貢献。リーグのMVPを1度(98年)、得点王を2度(98、00年)獲得している。J1通算157得点は史上最多だ。日本代表でも中心選手として活躍し、W杯には2大会(98、02年)に出場を果たした。近年の日本サッカーの歴史は、中山の存在抜きには語れない。彼の代表での21ゴールの中から特に印象に残る2つのゴールを、11年前の原稿で振り返る。
真紅のジャージのフィフティーンが史上初の快挙に挑む。帝京大学ラグビー部は全国大学選手権4連覇をかけて、13日の決勝を戦う。対するは国立大初の決勝進出を果たした筑波大だ。帝京大躍進の立役者は、監督就任17年目を迎える岩出雅之である。岩出は、高校ラグビーの指導者として、八幡工業高を7度、花園へと導く実績を残すと、1996年に帝京大の監督へ。大学ラグビーでもその手腕をいかんなく発揮、2010年にチームは初の日本一に輝いた。決して強豪校ではなかった帝京大が、いまや名だたる名門校でも成しえなかった金字塔を打ち立てようとしている。そんな名将の指導哲学を、大学選手権初優勝を果たしたばかりの時の原稿で振り返ろう。
大晦日は、格闘技のビッグイベントが目白押しだ。ボクシングは東西の2会場で、計5つの世界タイトルマッチが行なわれる。中でも注目は、東京・大田区総合体育館で開催されるWBA世界スーパーフェザー級王者・内山高志の6度目の防衛戦だ。対戦相手は同級暫定王者・ブライアン・バスケス(コスタリカ)。KO率78.9%を誇る内山は、2011年にはWBAのKO賞を獲得するなど、世界が認めるハードパンチャー。今回の王座統一戦でも、無敗の暫定王者相手に、“KOダイナマイト”のパンチが炸裂するか。 プロ19戦無敗を誇る内山の必殺ブローの秘密を、2年前の原稿で解明しよう。
前人未到の完全制覇まであとひとつ――。数々のJRA記録を塗り替えてきた武豊がまた日本競馬界に金字塔を打ち立てようとしている。11月18日、武はサダムパテック(牡4歳)に騎乗し、マイルチャンピオンシップ初制覇を果たした。2年ぶり通算66勝目のG1勝利は、現行のJRAのG1全22レース中、21レース目の勝ち鞍をあげたことになる。残すタイトルは、朝日杯フューチュリティーステークスのみ。武は16日に開催される同レースにティーハーフ(牡2歳)に乗ることが予想される。 幾多の勝利を重ねてきた武のレースマネジメント能力の一端を、12年前の原稿から紹介しよう。
天才セッターが、今度はコートサイドに場所を移し、指揮をふるう。昨日開幕したバレーボールのV・プレミアリーグで注目を集めているのは、久光製薬スプリングスの中田久美監督だ。専任としてはリーグ初の女性指揮官である。新監督に課された任務は、6年ぶりのリーグ優勝、そして次世代の全日本を担うセッターの育成だろう。中田が目をつけたのが、今季加入した狩野舞子だ。ロンドン五輪にも出場したアタッカーにセッター転向を命じたのである。現役時代は鋭い観察力でコート上から様々な情報を得て、ゲームを組み立てた。その視線が今度は若い選手たちに注がれる。 そこで中田の“眼力”とスポーツにおける“視力”の重要性を、12年前の原稿で振り返ろう。
第2戦、案の定、岩隈は2回3分の1でKOされた。6回表が終了した時点で2対6と4点のビハインド、これを伏兵・水口栄二の3ランで追いつき、8回、タフィ・ローズの決勝3ランでゲームを引っくり返してしまうのだから、やはり“いてまえ打線”はダテではない。
秋も深まり、野球シーズンも佳境を迎えた。パ・リーグは北海道日本ハムがひと足先に日本シリーズ進出を決め、セ・リーグはクライマックスシリーズで巨人と中日が凌ぎを削っている。短期決戦において、ひとつの勝利、ひとつのプレーの重みはシーズンと比べものにならない。それゆえにベンチの戦術や采配の妙が、流れを大きく左右する。シーズン通りの戦い方をするのか、一戦必勝でいくのか、はたまた奇襲を仕掛けてみるのか。指揮官の腕の見せ所である。 ヤクルトが大阪近鉄を圧倒した2001年の日本シリーズも、両軍の勝敗を分けたのは監督の戦略にあったのではないだろうか。27日から開幕するセパ頂上決戦を前に、当時の原稿を振り返り、シリーズでのキーポイントを検証しよう。
“世紀の一戦”のゴングが刻一刻と近づいている。13日、ボクシングの本場・米国で世界スーパーバンタム級王座統一戦が行なわれる。この試合、拳を交えるのは、3月に日本人初のWBC同級名誉王者となった西岡利晃と、WBO、IBF同級王者のノニト・ドネアだ。西岡は5度目の世界挑戦で、悲願の戴冠を果たした不屈の男である。対するドネアは4階級制覇を成し遂げたフィリピンが生んだスーパースター。軽量級の頂上決戦に世界中の注目が集まる。 強敵と立ち向かう西岡の折れない心の一端に、2年前の原稿で触れてみたい。
モダン・ベースボールの申し子がユニホームを脱いだ。10日、田口壮が会見を開き、現役引退を正式に発表した。20年間のプロ生活で、日米4球団を渡り歩き、好守の外野手として活躍。オリックスで日本シリーズ、カージナルスとフィリーズでワールドシリーズ制覇に貢献するなど、日米を股に掛けた名バイプレイヤーだった。オリックス時代にイチロー、本西厚博と形成した外野陣は鉄壁を誇り、史上最強との呼び声も高かった。 プロ野球の一時代を築いた堅守の外野陣を、当時の原稿で振り返る。
イギリス・ロンドンで“もうひとつのオリンピック”と呼ばれるパラリンピックが開幕し、熱戦が続いている。陸上の男子マラソンは、最終日の9日に行なわれ、日本代表3選手が出場する。その中のひとり、高橋勇市は今大会で3連続出場となる。初のパラリンピックとなった2004年のアテネでは、T11(全盲)クラスに出場し、2時間44分24秒で、見事に金メダルを獲得した。連覇が期待された北京では、2時間43分38秒と、記録ではアテネを上回ったものの、T11とT12(弱視)のクラスが統合されたこともあり、16位に終わった。高橋はパラリンピック発祥の地とされるロンドンで、雪辱を胸に表彰台を目指す。 全盲ランナーの不屈の物語を、05年の原稿で振り返る。
球界を代表するスラッガーが、ついにバットを置く。14日、福岡ソフトバンクの小久保裕紀が今季限りでの引退を発表した。小久保はプロ入り2年目の1995年にホームラン王を獲得し、97年には打点王に輝いた。今季は6月に史上41人目の通算2000本安打を達成。プロ19年間で、積み上げてきた本塁打(411)と打点(1290)は金本知憲(阪神)に次ぐ現役2位(17日現在)の記録だ。しかし、「フリー打撃でボールが飛ばなくなった」などの衰えを理由に、ユニホームを脱ぐことを決意した。誇り高きホームランアーティストらしい幕の引き方と言えるだろう。 ミスターホークス・小久保のホームランへのこだわりを、16年前の原稿で、振り返る。
おそらく日本中の視聴者があるシーンを脳裡に思い浮かべたに違いない。 今年1月に行われたシドニー五輪選考を兼ねた大阪国際女子マラソン。日本の弘山晴美は35km地点でスパートをかけ勝負に出たものの、シモンの驚異的な粘りにあい、競技場に入る直前で逆転されてしまう。 このとき、シモンは氷のような表情を少しも緩めることなく、次のように言い放った。 「私の方が少し根性があったようね」
女子マラソンは、五輪での上位入賞が期待される種目のひとつです。かつてはバルセロナ五輪の有森裕子選手(銀)からアテネ五輪の野口みずき選手(金)まで4大会連続でメダルを獲得。女子マラソンは日本のお家芸とも呼ばれていました。しかし、前回の北京五輪では中村友梨香選手の13位が最高。連続メダルの襷は途切れてしまいました。ロンドンでは重友梨佐、木崎良子、尾崎好美の3選手が日本勢2大会ぶりのメダルへ、8月5日のレースに臨みます。今回は、日本女子陸上界で初の金メダルに輝いた高橋尚子選手のシドニー五輪での快走を、12年前の原稿より紹介します。