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二宮清純「唯我独論」

第293回 誰ひとり気付かなかった見事なペテン

二宮清純「唯我独論」(水曜日更新)

 もし新渡戸稲造が今の時代に生きていて、スタンドからこのプレーを目撃したら、どんな反応を示したことだろう。やはりダメなものはダメというだろうか。 後に国際連盟事務次長にまでなった新渡戸稲造といえば、1
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二宮清純「唯我独論」

第292回 「伝統」守れない相撲部屋は解散すべし

二宮清純「唯我独論」(水曜日更新)

「親方」という言葉の響きにはえも言われぬ威厳と迫力がある。たとえ白いものでも親方が黒と言えば黒。理不尽で非民主的といわれればそれまでだが、アナクロニズムの存在価値はもっと深いところにある。 理不尽で非
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二宮清純「唯我独論」

第291回 地方を軽視した権力のおごり

二宮清純「唯我独論」(水曜日更新)

 先の参院選で与党、とりわけ自民党が大敗した大きな理由のひとつに「地方の反乱」がある。 農村部を抱える1人区はこれまで自民党の金城湯池だったが、今回は6勝23敗。民主党がマニフェストに掲げた農家向けの
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二宮清純「唯我独論」

第290回 朝青龍騒動は「綱の品格」以前の問題

二宮清純「唯我独論」(水曜日更新)

「私と小沢さん、どちらが総理にふさわしいか、国民の考えをうかがう」。自らの信任を問う素晴らしい決意表明に映った。参院選での結果は与党惨敗。直後の会見。「国民に約束した新しい国づくりに向けて、改革を続行
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二宮清純「唯我独論」

第289回 黒獅子旗に挑む大人たちのドラマ

二宮清純「唯我独論」(水曜日更新)

 都市対抗野球には独特の制度がある。各地区予選で敗退したチームから選手をレンタルできる補強選手制度だ。最大で5人まで借り受けることができる。この制度が存在することでチームは地域色を帯びる。文字どおり「
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二宮清純「唯我独論」

第288回 “ワンチーム・プレイヤー”イチローの英断

二宮清純「唯我独論」(水曜日更新)

 シアトルの市民は喜んでいるだろう。イチローの残留が決定した。2012年まで、セーフコ・フィールドに足を運べば世界最高峰のバッティング技術やレーザービームを目の当たりにすることができる。 昨年の今頃は
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二宮清純「唯我独論」

第287回 高い授業料、いいかげん取り戻せ

二宮清純「唯我独論」(水曜日更新)

 サッカー日本代表監督のイビチャ・オシムはペシミスティックな預言者である。 先頃、上梓した『日本人よ!』(新潮社)という自著のエピローグの部分で、あえてアジア杯について言及し、こう結んでいる。<だから
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第286回 37歳斎藤が体現した「青春」

二宮清純「唯我独論」(水曜日更新)

<青春とは人生の或る期間を言うのではなく、心の様相を言うのだ> 米国の詩人にして実業家、ユダヤ系ドイツ人のサミュエル・ウルマンがうたった有名な詩「青春」の一節である。 日本では連合国軍総司令官ダグラス
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第285回 注目すべきボンズの「眼」

二宮清純「唯我独論」(水曜日更新)

 叩かれている人間を見ると無性に肩を持ちたくなる。天邪鬼と言われれば否定はしないが、ヒールにもきっと言い分はあるはずだ。善悪二元論で物事を論じることほど危険なことはない。 メジャーリーグで最もバッシン
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第284回 前田の2000安打は敗残兵の帰還の譜

二宮清純「唯我独論」(水曜日更新)

 かつて天才の異名をほしいままにしたカープの前田智徳が2000本安打を前にして、もがき苦しんでいる。交流戦20試合の打率は70打数11安打、わずか1割5分7厘。イメージと異なるパ・リーグのピッチャーの
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