金子達仁
W杯アジア最終予選。アウェーゲームの地上波放送がなくなった。大変だと大騒ぎしたのはつい2年前の話である。わたし自身、これで新規のファンの獲得が難しくなる、日本サッカー界の将来が心配だ、と書いた記憶がある。 […]
子供に聞かれたとする。 「けまりってなに?」 わたしだったらこう答える。 「昔の偉い人たちが楽しんだ、毬(まり)を蹴りあげるお遊戯だよ」 じゃ、続けてこう聞かれたら? 「しゅうきゅうってなに?」 […]
調べてみたら06年の9月3日から16日だったというから、もう17年も昔の話、ということになる。 「見ました?」「見ました!」「凄くないですか?」「凄い。あれは本物でしょ」 現役、元選手、メディア関 […]
メキシコで2月に就任したばかりのディエゴ・コカ監督が解任された。外電によると理由は成績不振とのことだが、彼が在任中に残した成績は3勝3分け1敗と、それほど悪いものではない。決定打となったのは、成績というより、米国に0- […]
小学生だった頃、草野球における一番人気な“立ち位置”は「3番サード」だった。神戸でさえそうだったのだから、他の地域ではこの“立ち位置”を巡って、腕自慢の野球小僧がしのぎを削ったに違いない。ユニホームを作るようなチームで […]
かなり熱心なプロ野球ファンであっても、昨年のいまごろ、現役ドラフトなるものに強い関心を抱き、また、それが選手と球団の命運を大きく変えるものになる、などと読んでいた方はほとんどいなかったに違いない。 現役ドラ […]
20歳はもう若くない。サッカーの世界でそう言われ始めて久しい。 確かに、欧州にせよ南米にせよ、20歳でプロ契約できていない選手が大成する可能性はほぼゼロに等しい。ほとんどの国のサッカー選手にとって、20歳と […]
サウジアラビアがアルゼンチンを食った。日本がドイツとスペインを倒した。これぞ「番狂わせ」。もともとは「番付が下の力士が上位に勝つ」というところから来た言葉らしい。 日本語の「番狂わせ」にせよ、英語の「巨人殺 […]
28年前の出来事をまるで江戸時代のように感じていたこともあったのに、57歳にとっての30年前は、手を伸ばせば届きそうな感覚さえある。 ただ、ずいぶんと遠くまできたのは間違いない。日本はW杯の常連となった。五 […]
住友金属にはジーコがいる。リネカーに触手を伸ばしている所もあるらしい。ウチも負けてはいられない。きっと、そんな集団心理が働いたがゆえに、ディアスやリトバルスキーが日本へ来ることになったのだろう。 我が道を行 […]
ハラスメント、という言葉に出合ったことのことを思い出してみる。 第一印象は「はあ?」だった。職場で性的なジョークを言ったら「セクハラ」。上司が部下を厳しく𠮟ったら「パワハラ」……こんなもん、長くは続かん。本 […]
野球の監督とサッカーの監督。どちらも「監督」という言葉で表現されているとはいえ、求められる資質や条件はずいぶんと違う。 「データ」との付き合い方もしても、また然り。 野球の場合、データとは現場が求 […]
きっと、ゴキブリのようなものなのだろう。全面的に、駆除をしたと思ったら、またぞろ湧いてくる。その生命力は相当にしぶとい。 人種差別のことである。 阪神戦で被弾したDeNAのエスコバー投手が、人種 […]
もう十分だ、という声も上がっていると聞いた。いまなお続くテレビのWBC狂騒曲。わからないではない。あれは、野球を、スポーツを超えて、日本史上に残る快挙だった。個人的には「もっともっとやって」な気分でさえある。  […]
第1回のWBCに勝った。第2回大会では連覇をなし遂げた。では、どれだけの日本人が、あるいいは米国人が思っただろうか。 日本の野球は世界一。 わたしには思えなかった。 理不尽な判定や、 […]
アジア勢相手に苦戦をする。てこずる。そのたびに思った。書いてきた。 これでは、世界では勝てない。 ひょっとしたら、それが根本的な間違いだったのかもしれない。20歳以下のアジア杯を見ながら、ふとそ […]
サッカーは英国人が産み出した。W杯はフランス人が考えた。第1回のW杯に英国人は見向きもしなかった。彼らにとっては他国人がつくった世界一決定戦より、英国4協会で争うブリティッシュ・ホーム・チャンピオンシップ(BHC)の方 […]
Jリーグができたから、日本のサッカーは強くなった。これはもう、全面的に正しい。ただ、Jリーグができたから、日本はW杯に出場できた、と言われてしまうと、ちょっと言葉につまる。 ご存じの通り、Jリーグが始まった […]
Jリーグに歓声が戻ってきた。素晴らしい。たぶん、グラウンドを整備する方々もいつも以上に気合いが入っていたのだろう。どのスタジアムも、ピッチ状態は最高に近かった。天候に恵まれなかった地域はあったにせよ、観客の入りも、概ね […]
何がきっかけだったのか、我が家の小学生が突如としてドハマリした博多華丸・大吉によると、おじさんというものは、ダジャレを思いつくと口にせずにはいられない生き物であるらしい。う、耳が痛い。ただ、個人的にはダジャレ以上に我慢 […]
国枝慎吾さんの国民栄誉賞授与が検討されている。史上初めてとなるパラリンピアンの受賞。素晴らしい。本人はもとより、この競技を志す若者にとっても大きな励みとなることだろう。 ただ、過去の受賞例の中には、せっかく […]
歴史はつながっている。 現代サッカーの世界では古典的なゲームメーカーが絶滅危惧種となりつつあるが、依然、背番号10は特別な番号であり続けている。今後、どれだけサッカーがデジタル化していこうとも、最高の選手が […]
日本人として初めてW杯の舞台に立ったのは、実はW杯フランス大会のメンバーではない。中大でプレーした丸山義行さんである。70年W杯メキシコ大会で副審を務めた彼が、初めてW杯の芝生を踏んだ日本人だった。 サッカ […]
28年ぶりの五輪本大会出場を果たしたアトランタ五輪代表をしていた当時、わたしにとってのメキシコ五輪は教科書の中の歴史だった。 史実としては知っている。当事者を取材したこともある。それでも、アマチュア時代の栄 […]
昔の選手は凄かった、と年寄りは言う。だが、サッカーは常に進化している。かつての天才が、現代サッカーでも通用するとは限らない。そう信じていたわたしは、ゆえに、ペレを軽視していた。所詮はクライフ以前の王様。74年のW杯では […]