第85回 日本代表の決定力不足への妙案

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 笛は吹いた。踊りもした。しかし点が獲れない。サッカー日本代表の決定力不足は、いよいよ深刻である。
 建国記念日に行われたサッカーW杯南アフリカ大会アジア最終予選A組のオーストラリア戦は、日本が一方的に攻めながらもスコアレスドローに終わった。ホームゆえに勝ち点3(勝利)が欲しかった。

 以下に示す数字が日本の攻勢を示している。ボール支配率は日本が62%で、オーストラリアが38パーセント。シュート数は日本が11本に対し、オーストラリアは3本。数字だけ見れば日本が2対0くらいで勝ってもよさそうなものだが、そうならないのがサッカーの難しいところだ。
 もっとも代表の決定力不足は、今に始まったことではない。歴代の代表監督も、あれこれと知恵をしぼったが、有効な対策を打ち出すことができなかった。

 日本サッカー協会も手をこまねいているわけではない。強化担当技術委員長というポストを新設し、浦和レッズ、FC東京で監督経験のある原博実氏を起用した。
 原氏といえば、かつて“アジアの核弾頭”と呼ばれたストライカーで国際Aマッチでは釜本邦茂氏、カズに次いで日本歴代3位の37得点を記録している。「決定力不足の克服に知恵を貸してくれ」という協会の意向が窺える。

 だが、これだけではまだ足りない。いっそ代表チームに「FWコーチ」なるポストを設けてみてはどうか。サッカーには専門職としてGKコーチがいるのだから「FWコーチ」がいてもおかしくはない。チーム戦術にもからんでくるため、岡田武史監督がこれはという人物を直々に指名すればいい。
 岡田ジャパンは戦術も個々の技術も悪くない。目指す方向性も正しい。間違いなくアジアでは頭ひとつ抜けた存在だ。にもかかわらず勝ちきれないのは、最後のツメが甘いからだ。W杯本大会まで、あと16カ月。打てる手は全て打っておきたい。

(この原稿は『週刊ダイヤモンド』09年2月28日号に掲載されました)
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