北京パラリンピック閉幕、日本勢は27個のメダルを獲得

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 障がい者スポーツの祭典、北京パラリンピックが16日、12日間の日程を終えて閉幕した。日本勢は陸上男子400メートルと800メートル(車いす)で伊藤智也(三重県)が2種目を制覇。車いすテニス男子シングルスで国枝慎吾(千葉県)が優勝を果たすなど、5つの金を含む27個(銀14、銅8)のメダルを獲得した。
 日本勢で今大会第1号の金メダリストとなったのは石井雅史(神奈川県)。自転車の1000メートルタイムトライアル(脳性まひ)で1分8秒771の世界新記録をマークし、頂点に立った。石井は競輪選手として将来が期待されていた01年7月、交通事故に遭い、脳機能に障がいが残る。再び自転車にまたがり、選手時代の同僚たちとトレーニングを重ねて臨んだ大会だった。3000メートル個人追い抜きでは0.013秒差で惜しくも銀メダル。ロードタイムトライアルは3位に入って、合計3つのメダルを日本に持ち帰った。

 アテネで7冠を達成した成田真由美(神奈川県)がクラス変更の影響でメダルなしだった競泳では、50メートル平泳ぎ(運動機能障がい)で鈴木孝幸(静岡県)が優勝した。予選では48秒49の世界新記録をマーク。生まれつき両足のほとんどと右ひじから先がないが、鍛え上げた上半身と残された下半身を最大限生かして泳ぐ。鈴木は150メートル個人メドレーでも得意の平泳ぎで盛り返し、銅メダルを獲得。日本のエースとして結果を残した。

 陸上男子800メートルと400メートル(車いす)では、伊藤智也と高田稔浩(福井県)がそろってワンツーフィニッシュを果たした。伊藤は45歳、高田は42歳。伊藤は多発性硬化症で徐々に衰える筋肉を厳しいトレーニングで補う。前回はマラソンと5000メートルに出場して、いずれも4位。今回は短距離に転向して2つの金メダルに輝いた。アテネで金メダル3個を獲得した高田は筋萎縮症が進行し、北京はギリギリまで出場が危ぶまれた。ところが本番では前を行く伊藤を風よけに利用する巧みなレース運びをみせ、2つの銀メダルを確保した。
 また、男子円盤投げ(車いす)では最年長60歳の大井利江(岩手県)が海外の若手選手に交じって見事な銅メダル。64歳となるロンドン大会での金メダルを宣言した。

 車いすテニス男子シングルスを制した国枝慎吾は世界ランク1位の実力を大舞台で十二分に発揮した。準決勝まで1セットも落とさず勝ちあがり、決勝もアテネ覇者のオランダ人選手を6−3、6−0とストレートで下した。国枝は斎田悟司(千葉県)と組んだダブルスでも銅メダルを獲得している。

 日本の総メダル数(27個)は史上最多だったアテネ大会(52個)からほぼ半減。種目数の減少があったとはいえ、日本の障がい者スポーツへの取り組み不足を反映した結果になった。各競技で世界記録が次々と塗り替えられたように、世界のレベルはどんどん上がっている。日本ではナショナルトレーニングセンターなどの強化施設は五輪競技がメインで、障がい者スポーツではなかなか利用できない。4年後のロンドン、そして招致を目指す8年後の東京大会に向けて、大きな課題がみえたパラリンピックだった。
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