6日、ロンドン五輪選考会を兼ねた第88回競泳日本選手権5日目が行なわれ、男子200メートル平泳ぎ決勝では、同100メートルでは日本新での五輪出場を決めた北島康介(アクエリアス)が優勝し、2枚目の切符を獲得。2位の立石諒(NECGSC玉川)も派遣標準記録を突破し、初の五輪は2種目での出場となった。男子200メートルバタフライ決勝は松田丈志(コスモス薬品)が優勝し、200メートル自由形に続いて五輪出場を決めた。2位に入った金田和也(金田SC)も派遣標準記録を突破し、初の五輪切符を獲得した。女子100メートル自由形は上田春佳(キッコーマン)が自身の持つ日本記録を0秒33更新して優勝。200メートル自由形で出場した北京に続き2大会連続で五輪代表となった。男子100メートル自由形は藤井拓郎(KONAMI)が優勝するものの、48秒27の派遣標準記録の壁を破ることはできず、同種目での五輪代表は誕生しなかった。
(写真:レース後には「成長した姿を見せられたことが自信になった」と語った北島) また男子200メートル背泳ぎ準決勝では、入江陵介(イトマン東進)が1分56秒16でトップ通過。男子200メートル個人メドレーでは、同400メートルで初の五輪切符を獲得している高校生の萩野公介(御幸ケ原SS)が1分59秒64のタイムで1位、北京五輪5位入賞の高桑健(自衛隊体育学校)は2位で決勝進出を決めた。女子200メートル平泳ぎ準決勝では、鈴木聡美(山梨学院大)がトップで通過し、2位には15歳の渡部香生子(JSS立石)が入った。
【選手のコメント】
北島康介 「五輪に行くというのが最低条件の中、自分なりにいいレースができたと思う。(4年前とは)環境も違うし、五輪への取り組み方も違う。気持ちの面でもより充実していたと思うので、いい選考会になったと思う。(レースの)最後は必死だった。ただ、ああいうレースが僕の持ち味だし、まだああいうレースができるということを証明できた。前半から行くことが自分のスタイルだと思っているので、最後は苦しかったが、昨年の世界選手権とは違う泳ぎがきっとできたと思う。また、ちょっと成長した姿を見せることができたことは、自信になる。(五輪は)自分にとって特別な場所であり、夢の舞台であることに変わりはない。そこで勝負したい、勝負できると思っている限りは、トライし続ける。(記録がまだ伸びるかは)わからない。練習したからといって記録が伸びるかといったら、なかなか難しいことでもある。ただ、まだ記録は伸びている。いい記録を狙って少しでも進歩した姿を夏に見せたい」
山口観弘「世界トップレベルの中で泳げて本当に楽しかった。今後の自分の水泳人生に本当に大きく影響すると思うので、この日本選手権でベストを出せたというのは、本当に貴重な経験になった。日本代表になることは難しいが、代表になればメダルに直結するということになると思うので、しっかりと練習して来年の世界選手権の代表に入りたい」
鈴木聡美「ペースを上げるつもりで準決勝に臨んだので、自己ベストに近づけなかったのは悔しい。ただ、順調にタイムも上げてこられているので、決勝では自己ベストを狙うくらいのタイムを出したい。今日もリラックスして、周りの選手に惑わされずに自分のレースができたと思うので、また明日の決勝でも自分の力を発揮できたらなと思う」
主な結果は次の通り。
<男子200メートル平泳ぎ・決勝>
1位
北島康介(アクエリアス) 2分08秒00
2位
立石諒(NECGSC玉川) 2分08秒17
3位
山口観弘(志布志DC) 2分09秒70 ※高校新
<男子200メートルバタフライ・決勝>
1位
松田丈志(コスモス薬品) 1分54秒01
2位
金田和也(金田SC) 1分55秒39
<女子100メートル自由形・決勝>
1位
上田春佳(キッコーマン) 54秒00 ※日本新
2位
松本弥生(日体大大学院) 54秒80
3位
内田美希(スウィン館林) 55秒08 ※高校新
4位
伊藤華英(セントラルスポーツ) 55秒10
5位
長谷川菜月(電算システム) 55秒21
6位
山口美咲(イトマン) 55秒52
7位
川上真央(東京SC) 55秒61
8位
萩原智子(山梨学院) 55秒78
<男子200メートル背泳ぎ・準決勝>
1位
入江陵介(イトマン東進) 1分56秒16
2位
渡邉一樹(セントラルスポーツ)1分57秒88
3位
多田邦徳(スウィン鴻巣) 1分58秒17
4位
松原颯(法政大) 1分58秒32
5位
白井裕樹(ミズノ) 1分58秒60
6位
山崎貴大(日本体育大) 1分58秒78
7位
砂間敬太(天理高校) 1分59秒43
8位
中野高(林水泳教室) 2分0秒04
<男子200メートル個人メドレー・準決勝>
1位
萩野公介(御幸ケ原SS) 1分59秒64
2位
高桑健(自衛隊体育学校) 1分59秒82
3位
瀬戸大地(JSS毛呂山) 1分59秒93
4位
堀畑裕也(日本体育大) 2分0秒26
5位
植木拓斗(ミズノ) 2分0秒89
6位
小坂悠真(KONAMI東日本) 2分1秒31
7位
森洋介(法政大) 2分1秒40
8位
内田裕大(法政大) 2分1秒63
<女子200メートル平泳ぎ・準決勝>
1位
鈴木聡美(山梨学院大) 2分24秒56
2位
渡部香生子(JSS立石) 2分24秒88
3位
高橋美帆(日本体育大) 2分25秒45
3位
金藤理絵(Jaked) 2分25秒45
5位
福留景子(Nb) 2分25秒80
5位
藤本紗綾(東海大) 2分25秒80
7位
川辺芙美子(イトマン) 2分25秒98
8位
茂木美桜(ルネサンス土気) 2分26秒28