23日(日本時間)、FIFAワールドカップブラジル大会のグループH第2節で、アルジェリアが韓国に4−2で勝利した。アルジェリアは前半26分、FWイスラム・スリマニのゴールで先制。さらに28分にDFラフィク・ハリシュ、38分にはMFアブデルメヌ・ジャブのゴールでリードを広げた。後半5分、MFソン・フンミンにゴールを許したが、17分にMFヤシン・ブラヒミがダメ押しの4点目。その後、27分にFWク・ジャチョルにゴールを決められたものの、アルジェリアが快勝といえる内容で32年ぶりにW杯で白星を挙げた。

 前半シュート0本の韓国、反撃及ばず(ポルトアレグレ)
アルジェリア 4−2 韓国
【得点】
[ア] イスラム・スリマニ(26分)、ラフィク・ハリシュ(28分)、アブデルメヌ・ジャブ(38分)、ヤシン・ブラヒミ(62分)
[韓国] ソン・フンミン(50分)、ク・ジャチョル(72分)

 アルジェリアが前半で試合を決め、1982年スペインW杯以来、32年ぶりのW杯勝利を手にした。

 前半はアルジェリアのワンサイドゲームだった。前半26分、スリマニが自陣からのロングフィードに抜け出し、2人のDFと競り合いながらもうまくゴールに流し込んだ。
 すると、先制の余韻も残る28分には、アルジェリアが追加点。左CKにハリシュが打点の高いヘディングでゴールに叩き込んだ。

 アルジェリアの勢いは止まらない。38分、スリマニがPA手前で韓国DFのクリアボールを拾って中央へ折り返す。待ち受けていたジャブが左足でゴール右下へ流し込んだ。アルジェリアは前半だけで3点のリードを奪い、守っても韓国をシュート0本に抑え込む完璧な内容で試合を折り返した。

 迎えた後半は、5分にロングボールからソン・フンミンにゴールを決められた。PA内へ入れられたロングボールがソン・フンミンの背中に当たってこぼれ、これを左足でを振り抜かれた。

 1点を許したアルジェリアだが、冷静に反撃の狼煙を消しにかかった。17分、ブラヒミがMFソフィアン・フェグリにボールを預けてPA内へ走り込む。ブラヒミはリターンパスを受けると、右足でGKの股を抜いた。再び3点差。アルジェリアの流れを渡さないしたたかさが光った。

 27分にPA内左からのクロスをク・ジャチョルに押し込まれたが、その後は余裕を感じさせる試合運びで2点差を守り切った。

 10年南アフリカW杯は3戦全敗、ノーゴールという散々な結果に終わったアルジェリアだが、今大会はアフリカ特有の高い身体能力と組織力が融合している。初戦も敗れはしたものの、強豪ベルギーを最後まで苦しめた。韓国戦の勝利でアルジェリアはグループHの2位に浮上。同国史上初の決勝トーナメント進出が現実味を帯びてきた。

(鈴木友多)

【アルジェリア】
GK
ライス・エンボリ
DF
マジド・ブゲラ
→エサイド・ベルカレム(89分)
ラフィク・ハリシェ
ジャメル・メスバフ
カール・メジャニ
アイサ・マンディ
MF
ソフィアン・フェグリ
ヤシン・ブラヒミ
→メディ・ラセン(77分)
ナビル・ベンタレブ
アブデルムメン・ジャブ
→ナビル・ギラス(73分)
FW
イスラム・スリマニ

【韓国】
GK
チョン・ソンリョン
DF
ユン・ソギョン
キム・ヨングォン
イ・ヨン
ホン・ジョンホ
MF
ソン・フンミン
ハン・グギョン
→チ・ドンウォン(78分)
キ・ソンヨン
イ・チョンヨン
→イ・グノ(64分)
FW
パク・ジュヨン
→キム・シンウク(57分)
ク・ジャチョル