サッカーカタールワールドカップアジア最終予選の日本代表(FIFAランキング26位)対中国代表(同74位)戦が27日、埼玉スタジアムで行われ、日本が2対0で勝利した。試合は前半13分にFW大迫勇也(ヴィッセル神戸)がPKを決めて日本が先制した。後半16分にはMF伊東純也(ゲンク)がヘディングで得点しリードを広げた。日本は2月1日にサウジアラビア代表と埼玉スタジアムで対戦する。

 

 谷口&板倉のセンターバックコンビで完封(埼玉スタジアム)

日本代表 2-0 中国代表

【得点】

[日本] 大迫勇也(13分)、伊東純也(61分)

 

 この中国戦とサウジアラビア戦(2月1日、埼玉スタジアム)とホームで連戦となる日本。このシリーズでは勝ち点6を奪わなければ、カタールへの切符が遠のいてしまう。

 

 日本は4-3-3、中国は4-2-3-1のフォーメーションでスタートした。

 

 12分、MF伊東純也(ゲンク)がペナルティーエリア内右サイドの深い位置でボールを受け、折り返す。このクロスがMFワンシェンチャオの右腕に当たり日本はPKを獲得。この好機を大迫が冷静にゴール右隅に決め、日本が先制した。

 

 中国は前線からプレスを積極的にかけてこなかった。それにもかかわらずDFラインが低いわけでもなく、中途半端なポジショニングが散見された。これにより日本は中盤で自由にボールが保持できた。だが、なかなか追加点を奪えなかった。

 

 日本は20分、右コーナーキックからのサインプレーを披露。キッカーの伊東がグラウンダーのボールをペナルティーエリア内に入れると、MF南野拓実(リバプール)が右足を振り抜くが力み過ぎてジャストミートせず。

 

 28分、相手ゴール前で伊東、南野、大迫とパスがつながる。大迫が左足でゴール左を狙うが相手GKに阻まれた。その10分後にはペナルティーアーク付近でMF守田正英(サンタクララ)がヒールパスで南野にラストパス。左足から右足に持ち替えた南野のシュートは相手DFにブロックされた。

 

 結局、前半のうちにリードを広げることはできなかった。戦況が変わったのは後半13分に左サイドバックをDF長友佑都(FC東京)から左利きのDF中山雄太(スヴォレ)に代えてからだった。

 

 途中出場から3分後、中山が好機を演出した。左サイドの高い位置でボールを持つと、得意の左足でクロスを供給。鋭いカーブがかかったボールはゴール中央に走り込む伊東の頭にピタリとあった。「(中山)雄太が良いボールをくれた」と試合後に語った伊東はヘッドでゴール右隅を射抜いた。

 

 中国には24分に直接フリーキック、38分にミドルシュートを許した程度だった。守備面ではDF吉田麻也(サンプドリア)、DF冨安健洋(アーセナル)のレギュラーが怪我で不在の中、DF板倉滉(シャルケ04)とDF谷口彰悟(川崎フロンターレ)が安定感あるプレーを披露し、無失点で勝ち点3を上積みした。

 

 試合後、森保一監督は試合をこう振り返った。

「選手たちは短い準備時間の中でイメージ共有をしてくれた。連係連動できたことが大きかった。まずは我々が受け身になることなくアグレッシブな姿勢を見せていこうと話していた。選手たちが球際で戦い、しっかりゴールを奪ってくれた。中国はサイドから良いボールを配球できる選手を配置してくるので、できるだけケアをしようと話していた。相手のストロングをポイント見切って、選手たちがかしこくプレーしてくれた」

 

 吉田に代わり主将を務めたMF遠藤航(シュツットガルト)はこう述べた。

「今日に関しては必ず勝ち点3を取る必要があった。今いるメンバーで勝ち点3を取ろうと。キャプテンマークは巻いたが、気負いせず、自分のプレーを出すことにフォーカスしていた。(センターバックの板倉、谷口とは)リスクマネージメントのところを話した。僕と後ろの2人でカウンターを阻止しようと話していたが、良くできたと思う」

 

 2月1日には、土をつけられたサウジアラビアをホームで迎えうつ。既に2敗を喫している日本は次戦でも勝ち点3が欲しいところだ。

 

(文/大木雄貴)