(写真:「NTT」の名が消えた理由を下沖社長<左>は「地域に根付いた活動をしたいということで、まず浦安。NTTグループのシンボルチームとして、あえて付けなかった」と語った)

 NTTグループのラグビーチーム再編成により発足した新事業会社「NTT Sports X」が26日、記者会見を都内で行った。22-23シーズン、『JAPAN RUGBY LEAGUE ONE』(リーグワン)ディビジョン2で戦うチームの名称を「浦安D-Rocks」と発表。スコッド58人を発表し、1年でのディビジョン1“復帰”を誓った。

 

 リーグワン初年度を戦ったNTTコミュニケーションズシャイニングアークス東京ベイ浦安とNTTドコモレッドハリケーンズを再編し、新たに生まれたD-Rocks。ホストタウンは練習拠点を置く千葉県浦安市。1stジャージーはリーグワンの他チームにないネイビーを基調とし、レッドハリケーンズの赤とシャイニングアークスの黄を融合したデザインとなった。戦闘服に込めたようにシャイニングアークスとレッドハリケーンズが“共創”した新チームとなった。

 

 新事業会社のNTT Sports Xの社長に、レッドハリケーンズ前GMの下沖正博氏が、チームマネジメント部長には、シャイニングアークス前GMの内山浩文氏が就いた。内山氏はD-Rocksの新GMとしてチーム強化のリーダーシップを執る。この日は新体制も発表。指揮官はレッドハリケーンズ前HCのヨハン・アッカーマン氏。シャイニングアークス前HCのロブ・ペニー氏はアドバイザーというかたちでアッカーマンHCをサポートする。内山GMは「互いの良さを引き出すために役割を考え、HCとアドバイザーとなった」と説明した。

 

 スコッド58人にはHOアサエリ・サミソニ、No.8シオネ・ラべマイという東芝ブレイブルーパス東京からの移籍組2人を加え、シャイニングアークスとレッドハリケーンズの選手たちが名を連ねた。スコットランド代表76キャップのSHグレイグ・レイドロー、オーストラリア代表73キャップで先日トンガ代表デビューを果たしたFBイズラエル・フォラウらシャイニングアークス勢、南アフリカ代表SOエルトン・ヤンチース、ジャパンのFL/LOヴィンピー・ファンデルヴァルトらレッドハリケーンズ勢が融合した強力な陣容となった。

 

 今年12月開幕予定のリーグワンはディビジョン2からスタート。「ディビジョン1昇格はマスト」と下沖社長、内山GMは口を揃える。チームのミッションに2つのV(「Victory」「Value」)を掲げ、内山GMは「安定的、継続的に勝てるチームづくりを目指す」という。3季目で過去最高位(レッドハリケーンズ、シャイニングアークスともにトップディビジョンで5位)が目標。「ベスト4の壁を破る」と内山GMは意気込む。下沖社長は「5年以内での優勝を狙いたい。そのためにディビジョン2を死に物狂いで戦ってディビジョン1を目指すところからスタート」と述べた。社会地域共創活動として、シャイニングアークスとレッドハリケーンズ時代に行ってきた社会貢献活動や地域とのスポーツ共創は継続する。<革新的なチャレンジに続け、社会・地域・会社に多面的な価値を与え続けるスポーツ界のトップランナーを目指す>。シャイニングアークスとレッドハリケーンズの“共創”で誕生したD-Rocksが、新風を吹かせられるか。

 

(文・写真/杉浦泰介)