(写真:石川県知事室にて)

 突然ですが、馳浩スペシャルアドバイザーを拝命いたしました!

 今年春、石川県知事にご就任された馳浩氏は、高校国語科教諭、オリンピック選手(レスリング)、プロレスラーを経て、1995年の参議院議員選挙で初当選を果たしました。その後、衆議院議員などを含め国会議員在職約27年。第16代文部科学大臣、自民党政調会長筆頭代理などをご歴任されてきました。

 

 20年近く前、まだパラスポーツのことがあまり知られていないころ、パラスポーツのイベントは障がいのある人のためのもの、「私には関係ない」と多くの人に思われていました。私たちは、障がいの有無にかかわらず、広くいろんな人が参加してもらえる大会やイベントを進めていました。

 

 そんな時、深い理解と絶大なる応援をしてくださったのが、当時衆議院議員の馳浩氏です。

 広く呼び掛けてくださり、支援者を集めてくださった。それはもうありがたく感謝でいっぱいです。

 

(写真:文部科学大臣室にて)

 2015年、馳浩氏が文部科学大臣在任中にスポーツ庁を開設した際、私はスポーツ審議会委員を拝命。

 

 そして今年3月、ふるさとの新時代を切り拓く石川県知事に馳浩氏が初当選。

 その後、私は石川県成長戦略会議の委員を拝命しました。今年に入ってから、ずっと育ててくれた石川にご恩返しを、“何ができるかな~? どうしたらいいかな~?”とぼや~っと考えていたところでした。

 

 11月、その会議があり金沢へ。前日、馳浩知事とお目にかかりました。

「私、お役に立ちたいんです。石川にご恩返ししたい」と自分の思いをぶつけました。

 すると馳浩知事から「馳浩スペシャルアドバイザーに任命します」という言葉が返ってきました。

 

(むむむ?)と私が目をぱちくりしていると、馳浩知事は右手を開いてサッと上げ、親指から順に折り始めました。

「本田圭佑、野村萬斎、辰巳琢郎、武藤敬司」。ここで一旦止め、ニコッと笑って小指を折りながら、「伊藤数子」とおっしゃったのです。

 

私「え~~~っ!」

 

 とにかくよくわからないけれど、すごいことになったと興奮した私は、「非公式とは承知しておりますが、公表してもよろしいものでしょうか」と恐る恐るお聞きしました。

 

 すると「遠慮なく、どうぞ」とお返事が。

 なんだか真っ赤に燃えてきました。

 

「すべての人が、やりたいことにチャレンジできるいしかわ」

 私たちには一人ひとり個性があり、それぞれやりたいことがある。老若男女・障がいのある人も含めてすべての人が、躊躇なく思う存分、やりたいことにチャレンジする。

 そのチャレンジを止めない。応援する。そしてたくさんの花が開く。そんなことをやってみたい。

 

 そうそう。馳浩知事はチャレンジのかたまり、チャレンジの象徴ですから! 私もチャレンジあるのみだっ!

 

伊藤数子(いとう・かずこ)プロフィール>

新潟県出身。パラスポーツサイト「挑戦者たち」編集長。NPO法人STAND代表理事。STANDでは国や地域、年齢、性別、障がい、職業の区別なく、誰もが皆明るく豊かに暮らす社会を実現するための「ユニバーサルコミュニケーション事業」を行なっている。その一環としてパラスポーツ事業を展開。2010年3月よりパラスポーツサイト「挑戦者たち」を開設。また、全国各地でパラスポーツ体験会を開催。2015年には「ボランティアアカデミー」を開講した。第1期スポーツ庁スポーツ審議会委員、東京オリンピック・パラリンピック競技大会組織委員会顧問を務めた。2022年10月、石川県成長戦略会議委員に就任。同11月に馳浩スペシャルアドバイザーに就いた。著書には『ようこそ! 障害者スポーツへ~パラリンピックを目指すアスリートたち~』(廣済堂出版)がある。

◎バックナンバーはこちらから