9日、第5回WBC(ワールド・ベースボール・クラシック)の1次ラウンド・プールBの2試合が東京ドームで行われた。侍ジャパン(野球日本代表)は中国に8対1で快勝。3番・投手兼DHで先発した大谷翔平(ロサンゼルス・エンゼルス)は投げては4回1安打無失点、打っては2安打2打点。投打にわたる活躍で貢献した。もう1試合はオーストラリアが韓国との打ち合いを制し、8対7で競り勝った。

 

◇1次ラウンド・プールB

 1番ヌートバー、2安打1盗塁&好守(東京ドーム)

中国

1=000|001|000

8=100|200|14X

日本

勝利投手 大谷翔平(1勝0敗)

敗戦投手 ワン・シャン(0勝1敗)

本塁打 (中)リャン・ペイ1号ソロ

    (日)牧秀悟1号ソロ

 

 3大会ぶり3回目の戴冠を目指す侍ジャパン。栗山英樹監督は北海道日本ハム時代の教え子である大谷に先発マウンドを託した。3番・投手兼DHという“二刀流”起用された28歳右腕は、先頭のリャン・ペイを空振り三振に切って取る。続く2番ヤン・ジンをショートゴロ、3番の元NPB戦士・真砂勇介をサードゴロに抑え、三者凡退という上々の立ち上がりを見せた。

 

 その裏、侍ジャパンは早速先制する。先頭のラーズ・ヌートバー(セントルイス・カージナルス)がセンター前ヒットで出塁すると、続く近藤健介(福岡ソフトバンク)、大谷が四球を選び、無死満塁のチャンス。ここで村上宗隆(東京ヤクルト)もボールをよく見て、押し出しで1点が入った。

 

 2回も三者凡退に抑えた大谷を3回はバックが盛り立てる。先頭のコウ・ヨンカンの詰まった当たりを、ショート源田壮亮(埼玉西武)が猛チャージからのランニングスローで内野安打を許さない。続くルオ・ジンジュンのセンター前にポトリと落ちそうな小フライを前進したセンターのヌートバーがスライディングキャッチ。連続の好守で大谷を援護する。

 

 大谷は4回表に初ヒットを許したものの、無失点で抑えた。すると、その裏バットでもチームに貢献。1死一、三塁の好機に打席が回ると、カウント1-1からの3球目を左中間に弾き返した。フェンス直撃のあわやホームランという当たりで2人が還り、自らのバットでリードを3点に広げた。

 

 5回からは大谷に代わり、戸郷翔征(巨人)がマウンドに上がった。戸郷はリャンに一発を浴びたものの、3回1失点。得意のフォークが切れ、7三振を奪った。7回裏に牧秀悟(横浜DeNA)が侍ジャパン今大会第1号となるソロで加点した。3番手・湯浅京己(阪神)が3者連続奪三振で流れをつくると、8回裏には山田哲人(ヤクルト)、甲斐拓也(ソフトバンク)のタイムリーなどで4点を加え、ダメ押した。

 

 序盤はチャンスをつくれど、なかなか得点を奪えず、重い展開となったが投手陣が崩れなかった。終わってみれば8対1の快勝。次戦は10日、国際大会で何度も名勝負を繰り広げた宿敵・韓国が相手だ。先発はダルビッシュ有(サンディエゴ・パドレス)が予定されている。

 

(文/杉浦泰介)

 

 9投手による継投で接戦制す(東京ドーム)
オーストラリア

8=000|110|330

7=000|031|030

韓国

勝利投手 ジョン・ケネディ(1勝0敗)

敗戦投手 キム・ウォンジュン(0勝1敗)

セーブ  ジョシュ・ガイヤー(1S)

本塁打 (オ)ティム・ケネリー1号2ソロ、ロビー・グレンディニング1号3ラン、ロビー・パーキンス1号3ラン

    (韓)ヤン・ウィジ1号3ラン