ボストン・レッドソックスの松坂大輔投手は15日、本拠地でのトロント・ブルージェイズ戦に先発登板した。松坂は毎回走者を許し、2本のアーチを浴びるなど、苦しい投球。6回4失点と出来はいまひとつだったが、打線の援護もあり、11勝目(6敗)をマークした。試合は9−4でレッドソックスが勝利した。
 バリテック、勝ち越し2ラン
トロント・ブルージェイズ 4 = 000103000
ボストン・レッドソックス  9 = 10210500×
勝利投手 松坂(11勝6敗)
敗戦投手 マゴワン(5勝5敗)
本塁打   (ブ)グラース12号ソロ、ヒル10号2ラン
       (レ)オルティス15号ソロ、ヒンスキー4号ソロ、バリテック9号2ラン

 前半戦最後の登板は5回で3本塁打を許し、6失点。後半戦最初の先発で心機一転といきたい松坂だったが、内容的にはもっと点を失ってもおかしくなかった。
 初回、先頭のバーノン・ウェルズにレフトに大飛球を打たれる。グリーン・モンスターに救われる2塁打。他の球場であれば、スタンドインになってもいい打球だった。

 この無死2塁の立ち上がりは切り抜けたものの、2回もトロイ・グラースにグリーンモンスター直撃の当たりを放たれる。今度は外野からの好返球に救われ、グラースはセカンドでタッチアウト。その後、四球とヒットで2死1、2塁のピンチを迎えただけに、大きなアウトだった。
 3回も得点圏の走者を許しながら、松坂はなんとかゼロを並べていく。打線もその裏、デービッド・オルティスのタイムリーなどで2点を追加。3−0と松坂を援護した。

 しかし4回、真ん中に入ったボールを完璧に打たれる。先頭のグラースが振りぬいた打球はグリーンモンスターを越えてレフトスタンドに飛び込んだ。松坂は1点を失う。1死後、アーロン・ヒルにはこの日3度目となるグリーンモンスター直撃打。微妙なコントロールが定まらないまま、なんとか最小失点にとどめ、5回まで投げぬいた。

 4−1。3点リードで6回もマウンドに上がった松坂だが、なかなか波に乗れない。先頭のフランク・トーマスにまたもやグリーンモンスター直撃の2塁打を許すと、前の打席で本塁打を打ったグラースがレフト線を痛烈に破る。2塁走者が難なく生還して点差は2点。さらに1死3塁でヒルの打球は再びレフトへ。白球はグリーンモンスターをもろともせず、フェンスの向こうに消えた。あっという間の同点2ラン。松坂は勝ち投手の権利を自ら放棄してしまった。

 結局、松坂はこの回限りで降板。9安打のうち2本がホームランだったが、グリーンモンスターがなければ、もっと被本塁打数が増えていたかもしれない。三振はわずかに2と、制球だけでなくボールに勢いもなかった。

 唯一の救いはそれでも白星がついたことか。直後に女房役のジェーソン・バリテックの2ランが飛びだし、レッドソックス打線が大爆発。一挙5点を奪って、試合を決めた。松坂のあとを継いだリリーフ陣も好投をみせ、最後は岡島秀樹。1回を難なく抑えて、リードを守った。
 松坂の次回登板は20日のシカゴ・ホワイトソックス戦が予定されている。井口資仁とのメジャー初対決に注目したい。
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