ピッツバーグ・パイレーツの桑田真澄投手が3日、本拠地のミルウォーキー・ブルワーズ戦で中継ぎ登板したが、3分の2を投げて7失点。メジャー初黒星を喫した。3−3と同点の7回、2番手としてマウンドに上がった桑田は満塁弾を含む5安打を浴び、失点を重ねた。試合は3−10とパイレーツの大敗に終わった。
 前回登板は1回3分の2を無失点。桑田は最後を締めて地元ファンからの歓声を集めた。それから2日、今度は本拠地で激しいブーイングを浴びる結果に終わった。

 7回、3−3と同点の場面。6回まで100球を投じた先発のジョン・バンベンショーテンに代え、ジム・トレーシー監督は桑田をマウンドに送る。
 ところが、先頭のトニー・グラファニーノにセンター前に運ばれると送りバントで1死2塁。いきなりのピンチを迎える。打順は1番にかえってコリー・ハート。カウント1−1からの3球目、内角球が甘くなったのをハートは見逃してくれなかった。レフトへのタイムリー2塁打が飛び出し、桑田は勝ち越し点を許す。

 気落ちしたベテランをブルワーズ打線は容赦しない。続くJ.J.ハーディも真ん中のボールをレフトへタイムリー。2死後、阪神で活躍したセシル・フィルダーの息子、4番プリンス・フィルダーを敬遠したが、流れは変わらなかった。
 5番ビル・ホールの当たりは詰まっていたが、ライトの前方にポトリ。セカンドランナーが生還して、この回、桑田は3点目を与えてしまう。なおも2死2、3塁。ここでバッテリーは敬遠での満塁策を選択し、7番ダミアン・ミラーとの勝負にかけた。
 しかし、前の打席で2ランを放っている右打者に対して投じた3球目が内へ入った。ミラーがバットを一振りすると、打球はレフトスタンドへ消えていった。痛恨のグランドスラム。桑田はなすすべなくとどめをさされた。

 結局、桑田はこれで降板。1イニングももたず7点を奪われる大乱調だった。桑田は失点した試合で必ず本塁打を浴びており、制球が狂うと痛い一発を打たれる傾向が強まっている。デビュー以後、順調に中継ぎとして役割を果たし、初勝利や初セーブが見えてきた矢先だっただけに、1つの壁にぶち当たったと言えそうだ。

 ミラー、とどめの満塁弾
ミルウォーキー・ブルワーズ 10 = 010200700
ピッツバーグ・パイレーツ    3 = 10101000×
勝利投手 ビラヌエバ(6勝0敗)
敗戦投手 桑田(0勝1敗)
本塁打   (ブ)ミラー3号2ラン、4号満塁
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