ピッツバーグ・パイレーツの桑田真澄投手が22日、シアトル・マリナーズ戦で今季4度目の登板を果たした。0−3とリードされて迎えた6回、2番手としてマウンドに上がった桑田は2回を無失点。注目のイチローとの対決では空振り三振に切って取るなど、4三振を奪う好投をみせた。試合はイチローのタイムリーなどでマリナーズが3−0で勝利した。
 桑田VSイチロー。日本の公式戦では一度もなかった顔合わせが異国の地で実現した。前回登板、桑田は次打者がイチローという場面で1人を抑えてマウンドを譲っていた。“ニアミス”に終わった両者の対決は7回裏に巡ってきた。

 注目の初球は内角高めに外れ、ボール。2球目は外角にストライクを決める。3球目は内角へのスライダーをイチローが積極的に打ちに行ったが、バットが空を切った。
 カウントは2−1。優位に立った桑田は、最後に得意球で勝負をかける。縦に曲がり落ちる“レインボール”だ。ストライクコースからキャッチャーミットの手前でバウンドするような落差のあるボールに、さすがのイチローも球を捉えきれなかった。空振りの三振。39歳のオールドルーキーがメジャーで2度も首位打者を獲得した天才をアウトに仕留めた。

 イチローの三振に象徴されるように、この日も桑田は変化球を内外に決め、丁寧に相手バッターを打ち取った。マウンドに上がった6回は先頭のエイドリアン・ベルトレをスライダーで空振り三振。続くリッチー・セクソンも同じボールでショートゴロを打たせる。内野安打で走者を許したものの、9番ユニエスキー・ベタンコートをカープで空振りの三振。いずれも変化球で相手を翻弄し、7回のマウンドを託された。
 その7回はイチローを三振にとったあと、2番ホセ・ロペスを見逃しの三振。ラウル・イバネスはピッチャーゴロと、3人でマリナーズの攻撃を退ける。これでデビュー登板のニューヨーク・ヤンキース戦、アレックス・ロドリゲスに1発を浴びて以来、3試合連続無失点。過去の登板で1つもなかった三振を1日で4つ奪った。

 縦の変化球でメジャーの打者を牛耳る姿はレッドソックスの岡島秀樹と共通点がある。岡島もデビュー登板で本塁打を打たれて以降、チェンジアップを決め球にセットアッパーとしての地位を確立した。はたして桑田の“レインボール”はどこまで通用するのか。日本で173勝をあげたエースが海の向こうで再び虹を描こうとしている。

 イチロー、先制タイムリー
ピッツバーグ・パイレーツ 0 = 000000000
シアトル・マリナーズ    3 = 00003000×
勝利投手 ヘルナンデス(4勝4敗)
敗戦投手 バンベンショーテン(0勝2敗)
セーブ   ブッツ(20S)
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