現地時間25日、世界陸上競技選手権大会第7日がハンガリー・ブダペストで行われ、女子やり投げ決勝で北口榛花(JAL)が66m73で優勝した。日本女子3人目、今大会日本勢初の金メダル獲得となった。北口は日本陸上競技連盟の規定によりパリオリンピック代表に内定した。

 

 北口は最終投擲前の時点で4位だった。3投目に記録した63m00。2大会連続表彰台のためには0m19以上、逆転優勝には2m48以上記録を伸ばす必要があった。大きく息を吐き出すように2回深呼吸。跳ねるように足踏みをして助走を始めた。

 

 声を上げて投じたやりは、アーチを描き、暫定トップのF.D.ルイスフルタド(コロンビア)が記録した65m47を明らかに超えた。両手で何度もガッツポーズをつくる北口。記録は66m73--。これで暫定トップに躍り出た。後続が北口の記録を上回ることができず、金メダルが確定した。銅メダル獲得の前回のアメリカ・オレゴン大会に続き、2大会連続の表彰台。自身初の金メダルは、フィールド種目で日本女子初の快挙だ。

 

 昨年は世界陸上の銅メダルのほか、世界最高峰のダイヤモンドリーグで優勝。9月のダイヤモンドリーグのファイナルでも3位に入った。今年7月に今季世界最高の67m04を投げ、自らの日本記録を塗り替えた。世界ランキング1位として臨んだ大会だった。

 

(文/杉浦泰介)