プロ野球の日本シリーズ第6戦が4日、京セラドーム大阪で行われ、オリックスが阪神を5対1で下した。これで通算成績を3勝3敗のタイ。第7戦は5日、京セラドーム大阪で行われる。

 

 日本S最多の1試合14奪三振で初勝利(オリックス3勝3敗 京セラD)
阪神
1=010|000|000
5=020|020|01X
オリックス
勝利投手 山本(1勝1敗)
敗戦投手 村上(1勝1敗)
本塁打 (神)ノイジー1号ソロ
    (オ)紅林1号2ラン、頓宮2号ソロ

 

 3年連続投手4冠&沢村賞と異次元のピッチャーが、ようやく日本シリーズ初勝利を手にした。

 

 初戦と同じオリックス・山本由伸、阪神・村上頌樹が先発マウンドに上がった。山本は三者凡退、村上はランナーを出しながらゼロに抑えた。

 

 すると2回表に試合は動いた。1死後、5番シェルドン・ノイジーに高めの真っすぐをライトスタンド最前列に運ばれた。続く佐藤輝明にツーベース、糸原健斗にもヒットを打たれ、一、三塁のピンチを迎えた。

 

 ここで追加点を与えないのがエースたる所以か。木浪聖也を空振り三振に切って取り、坂本誠志郎にはデッドボールを与えたが、近本光司を空振り三振に仕留めた。

 

 エースの粘りに打線が応えたのがその裏だ。6番マーウィン・ゴンザレス、7番・杉本裕太郎が連打でチャンスメイク。1死後、若月健矢のタイムリーで同点に追いついた。さらに中川圭太がレフトへの犠牲フライで勝ち越した。

 

 援護をもらった山本は4回、5回とランナーを許しながらも要所を抑えてリードを守る。5回は2死一、三塁のピンチで近本にライトフェンス際へ運ばれたが、森友哉がジャンプ一番で捕球してゼロで凌いだ。

 

 5回表には3番に起用された紅林弘太郎がエースに援護射撃だ。中川がセンター前ヒットで出塁、宗佑磨が送って1死二塁の場面で打席が回ってきた。甘く入った変化球を強振し、バックスクリーン左に叩き込んだ。リードを3点差に広げる2ランを放った。

 

 山本は尻上がりにペースを上げていく。6回は三者凡退。7回は連打を浴びたものの、後続を断ち、追撃の一打を許さない。8回も4番・大山悠輔、5番ノイジー、6番・佐藤輝明の3人を空振り三振、ショートゴロ、空振り三振で封じ込めた。

 

 8回裏には山本の幼馴染、頓宮裕真が2番手・西勇輝からソロホームランを放った。9回表、既に120球を超えていた山本は引き続きマウンドへ。

 

 先頭の糸原から157kmの速球で空振り三振を奪った。続く木浪にはヒットを打たれたものの、代打・渡邉諒にはインコースへのフォークで見逃し三振。この試合14個目の奪三振は日本シリーズ最多記録となった。近本には真っすぐでセカンドゴロに打ち取り、ゲームセット。138球の力投で、勝利を手繰り寄せた。

 

 これで3勝3敗のタイとなった。5日の先発はオリックスが第2戦で勝利投手となった宮城大弥、対する阪神は青柳晃洋と発表された。日本シリーズ、59年ぶりの関西ダービーの決着はいかに。連覇か、それとも38年ぶりか。

 

(文/杉浦泰介)