11月2日(木)、新潟市立黒埼南小学校で、「楽しい!からはじめよう『みんなのスポーツ』パラスポーツ体験会」を開催しました(主催:NPO法人STAND・後援:新潟市教育委員会・協賛:清水建設株式会社)。

 

 講師に上原大祐さん(パラアイスホッケー バンクーバー2010パラリンピック 銀メダリスト)を迎えました。

 

 参加した小学4年から6年生の児童に、上原さんは「みんなと友達になるんだから、“大ちゃん”って呼んでね」と語りかけます。

「チームワークの大切さ」「やってみていないことと、できないこととは違う。やる前から諦めないでやってみる、チャレンジが大切」というお話を聞きました。上原さんの言葉、そしてパラスポーツ体験から、たくさんの気づきを得ることができました。

 

 実は、ここ黒埼南小学校での開催は4年前に続き、2回目なのです。

 4年前にこのイベントをご担当した池田千明先生から、今年再び連絡をいただきました。

「4年前の体験会の後、児童たちはその日のことをずっと覚えていました。『大ちゃん先生がこう言っていたよね』『大ちゃん先生から学んだよね』が合言葉になっていました。教えてもらったことをいつも話しながら卒業していきました。本当に大きな学びでした。そこで、その時の子どもたちの後輩にあたる今の子どもたちにも、ぜひあの感動を味わって、勉強してもらいたいのです」

 

 メールを読んで、じわ~っと胸が熱くなりました。池田先生の強い思いが伝わってくるのです。「すごいぞ池田先生!」。この気持ちにどうしてもお応えしたかった。協賛の清水建設様にもご快諾いただき、10年目を迎えるこの体験会シリーズで初めての、同じ会場での2回目開催となったのです。

 

 今回も小学4年から6年生の児童約70名が、思いっきり身体を動かしました。

 

 実施後、池田先生からメッセージが届きました。

「上原様から学んだことを振り返り、常に意識しながら、卒業に向けて子どもたちとともに成長し続けていきたいと思います。上原様から直接お話を聞くことができた子どもたちは、とても幸せです。感謝の気持ちでいっぱいです。本当にありがとうございました」

 

 あの日の子どもたち、そして先生の笑顔がはっきりと目に浮かびます。これが、“またどこへでも出かけて行こう”という力の源になるのです。こちらこそ、心から感謝しています。

 

伊藤数子(いとう・かずこ)プロフィール>

新潟県出身。パラスポーツサイト「挑戦者たち」編集長。NPO法人STAND代表理事。STANDでは国や地域、年齢、性別、障がい、職業の区別なく、誰もが皆明るく豊かに暮らす社会を実現するための「ユニバーサルコミュニケーション事業」を行なっている。その一環としてパラスポーツ事業を展開。2010年3月よりパラスポーツサイト「挑戦者たち」を開設。また、全国各地でパラスポーツ体験会を開催。2015年には「ボランティアアカデミー」を開講した。第1期スポーツ庁スポーツ審議会委員、東京オリンピック・パラリンピック競技大会組織委員会顧問を務めた。2022年10月、石川県成長戦略会議委員に就任。同11月に馳浩スペシャルアドバイザーに就いた。著書には『ようこそ! 障害者スポーツへ~パラリンピックを目指すアスリートたち~』(廣済堂出版)がある。

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