ボクシングのスーパーバンタム級4団体統一王座戦の前日計量が25日、神奈川・横浜市内のホテルで行われた。WBC&WBO統一王者の井上尚弥(大橋)が55.2kg、WBA&IBF統一王者のマーロンタパレス(フィリピン)が55.0kgでリミット(55.3kg以下)一発クリア。26日、東京・有明アリーナで両者は対戦する。

 

 スーパーバンタム級最強を決める一戦のゴングが刻一刻と近付いている。フェイスオフ後、井上から笑顔でタパレスに握手を求めた。不要な火花は散らさない。

「フェイスオフを長くする必要はない。しっかりとタパレスの表情は見えた。昨日よりも一段と絞った感じがありました。(減量は)楽ではないのかなと見えました」

 

 新しいチャプターに入った“モンスター”。スーパーバンタム級2戦目が、統一王者同士の頂上決戦だ。5カ月前、スティーブ・フルトン(アメリカ)からベルトを奪ったスーパーバンタム級初戦は完勝だった。「壁は感じなかった」と8ラウンドで、無敗の2団体統一王者を仕留めてみせた。

「前回のスーパーバンタム級に仕上げる過程で“ああしたらいい”ということが見えた。そこはもっとプラスに仕上げることができたかなと思います」

 

 井上は試合までのリカバリーについて、「前回は60kg。それぐらいで今回もリングに上がろうと思っています」と落ち着いた表情で語った。2階級で4団体統一を果たせば、スーパーライト&ウエルター級を統一したテレンス・クロフォード(アメリカ)に続いて、史上2人目の快挙だ。25戦全勝(22KO)。プロキャリアは40戦37勝(19KO)のタパレスが上だが、現在6戦連続KO中のモンスターが、負ける姿は想像できないというのが正直なところだ。

 

(文・写真/杉浦泰介)