5月3日(土)、J2第11節となる愛媛FC対FC岐阜の一戦が、アウェイ(岐阜メモリアルセンター長良川競技場)にて行われた。そして、同日同時刻、この試合の模様が、愛媛FC主催の「パブリック・ビューイング」イベントにおいて、松山市中央商店街(銀天街・大街道)に設置された大型ビジョンに生放映されたのだ。
(写真:銀天街・ギャラクシービジョン。(写真は昨年のPVイベント時))
 昨年の「パブリック・ビューイング」イベントと同様、イヨテツ高島屋前の坊っちゃん広場には、特設応援会場が設けられ、銀天街入り口上部に設置されたギャラクシービジョン(283インチ)にも試合の模様が映し出された。
 現地(アウェイ)には行けないが、仲間たちと一緒に、アウェイで闘う愛媛FCを応援したいというサポーター達が、今年も、この会場に大勢集結した。
 
 午後1時、現地(アウェイ)も松山市内も真夏のような暑さの中、FC岐阜のキックオフで試合がスタートした。
 序盤から前線で細かくパスを繋ぎ、積極的に敵陣に攻め込んで行く愛媛FCの攻撃陣。同様に守備陣も好調な立ち上がりをみせる。ロングフィードを多用し、攻め込んで来る相手に、素早い対応でアプローチ。敵チームにチャンスを創らせない。
 
 愛媛FCの流れで、調子良く試合が進む中、早くも歓喜の瞬間が訪れた。前半7分、最終ラインのDF金守智哉選手から、前線に向けてフィードボールが供給される。FW横山拓也選手が、ペナルティアーク手前で、このボールに追い着き、足元にキープ。右サイドを駆け上がるFW内村圭宏選手へと、ヒールでパスを送る。

 そのままドリブルでペナルティエリアに攻め込む内村選手。行く手を敵DFに塞がれた内村選手は、背後を駆け上がってきたフリーのDF高杉亮太選手へとパスを送る。高杉選手はこのボールを上手く捕らえ、ダイレクトにゴール前へ向けて、センタリングを供給する。ゴール前に攻め上がっていたMF赤井秀一選手が、このボールにタイミングを合わせ、ジャンプ一番、ヘディングシュートを放った。

 ボールは、敵GKが立つ逆サイド、ゴールマウス左隅に突き刺さった。見事な先制ゴール! 赤井選手を選手仲間が囲み、手荒な祝福。松山市中央商店街の「パブリック・ビューイング」イベント会場からも、歓声と拍手が沸き起こる。
 
 その後も手を休めることなく、なおも敵チームを攻め立てる愛媛FC。前半23分、敵陣内、左サイド・タッチラインから、愛媛FCのスローイングでリスタート。DF三上卓哉選手からのスローイングのボールを、横山選手がペナルティアークに陣取る内村選手へとダイレクト・パスを通す。
 ボールをキープしつつ、左サイドを駆け上がる横山選手へとスルーパスを送る内村選手。ペナルティエリアに進入した内村選手を確認し、ワンタッチでボールを戻す横山選手。ボールを足元に納めた内村選手が、シュート体勢に入るが、複数の敵DFが周囲に立ちはだかり、フィニッシュ出来ない。そこに赤井選手も加わり、ゴール前は混戦模様となった。

 敵DFが、この混戦の中から、ボールを掻き出すが、ルーズボールは、運良くゴール前に攻め上がってきていたMF宮原裕司選手の足元へと転がった。このボールを捕らえた宮原選手が、ノートラップで左足を鋭く振り抜くと、ボールは敵GKの伸ばした手の先を擦り抜け、ゴールネットに突き刺さった。一瞬の隙を見逃さない、素晴らしい反応のシュート。見事な追加点だった。
 宮原選手の喜びの表情が、松山市中央商店街に設置された大画面に映し出される。特設会場も大歓声に包まれた。
 
 まだまだ、貪欲に敵ゴールを目指して、攻撃を仕掛ける愛媛イレブン。前半25分、右サイド、細かいパスで繋がれたボールを、センターサークル付近に陣取る宮原選手が足元にキープ。敵陣内中央まで攻め込んでいたMF江後賢一選手へと、グラウンダーのパスを送る。

 横山選手とのワンツーパスで、ペナルティエリアへと攻め上がる江後選手。横山選手から戻って来たボールに、上手くタイミングを合わせ、ノートラップで左足を豪快に振り抜いた。弾丸シュートは、敵GKの手をかすめながら、ゴールマウス右上隅に突き刺さった。再び見事な追加点。チームやサポーターにとっても、嬉しい3点目の得点だ。
 ガッツポーズを連発する江後選手。「パブリック・ビューイング」のイベント会場に集まったサポーター達も、喜びを爆発させていた。
 
 この後も、見応えのある激しい攻防が、終始展開されたが、愛媛FCが前半獲得した3点を、後半戦も守りきり、3−0の最終スコアで愛媛FCが快勝を収めた。
 
 今節、3得点という大量点を奪った攻撃陣だったが、守備陣の活躍も素晴らしかった。マンマークも、しっかり集中して出来ていたし、1対1の局面で、気力と共に体力的にも相手を上回っていた。実際、高い攻撃力を誇るFC岐阜を相手に、完封したことは大いに評価出来るところだ。
 
 松山市中央商店街(銀天街・大街道)にて行われた「パブリック・ビューイング」イベントも、大勢の参加者が集い、喜びを共有することが出来、成功に終わったと言える。
 この日、商店街を往来する人々にも、「愛媛FC」の存在を上手くアピール出来たと思える。このイベントを通じ、今後のホームゲームの集客にも、良い影響が出てくることを期待したい。


松本 晋司(まつもと しんじ)プロフィール
1967年5月14日生まれ、愛媛県松山市出身。
愛媛FCサポーターズクラブ「Laranja Torcida(ラランジャ・トルシーダ)」代表。2000年2月6日発足の初代愛媛FCサポーター組織創設メンバーであり、愛媛FCサポーターズクラブ「ARANCINO(アランチーノ)」元代表。愛媛FC協賛スポンサー企業役員。南宇和高校サッカー部や愛媛FCユースチームの全国区での活躍から石橋智之総監督の志に共感し、愛媛FCが、四国リーグに参戦していた時期より応援・支援活動を始める。
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