ムエタイバンタム級・北野克樹、ランカー倒してアピールへ「全部ひっくり返す」 ~ONE~
5日、アジア最大級の格闘技団体『ONE Championship』(ONE)がタイ・インパクトアリーナで開催する「ONE167」(6月8日)を3日後に控え、ムエタイバンタム級5位のリアム・ハリソン(イギリス)と対戦する北野克樹(誠至会)がオンライン取材に応じた。
年明けよりタイのタイガームエタイジムやペッティンディーアカデミーなどでトレーニングを積んできた北野。今回のオファーが届いたのは、約2カ月前だという。 ONE参戦2戦目、本戦デビューの相手ハリソンはムエタイで数々のタイトルを獲得してきたビッグネームである。
「“マジか、そうきたか”と思いました。でも大きなチャンス。試合までの期間はあったので、身体をつくって試合ができるので、オファーを受けさせていただきました」
ハリソン(写真右)はONEムエタイバンタム級のランカー。過去にムエタイの世界タイトルも獲っており、“ヒットマン”の異名を持つ。実績のある38歳のベテランは日本人ファイターとも対戦経験がある。「NJKF(ニュージャパンキックボクシング連盟)の先輩である大和哲也選手(大和ジム)との試合が印象に残っています。ローキック、パンチに威力があり、勢いのある選手という印象です」と北野。この試合に勝てば、現ONEムエタイ&キックボクシング王者のジョナサン・ハガティー(イギリス)ら上位陣への挑戦権が見えてくる。
「人生全ベットする覚悟」
試合が決まる前からのタイでの武者修行は、その表れだ。ONEデビューとなった10月の「ONE Friday Fights38」を振り返り、北野は「体格の差で相手の圧力を感じたり、タイの気候で体力がなくなった。勝ちはましたが、課題が見つかった。今回はそれを克服してきた」と語った。1ラウンドにヒジでハリル・キュトゥクチュ(オランダ/トルコ)からダウンを奪ったものの、最終ラウンドでは相手の反撃に遭った。
前回はフェザー級(70.3kg以下)の契約体重で戦ったが、今回はバンタム級(65.8kg以下)になる。22年秋から23年春までウェルター級(66.68kg以下)を主戦場としていたため、それに近い体重で臨めるのはメリットだろう。本人も既に体重もリミット近くまで落ちており、ハイドレーションテストも問題ないという。
「試合が決まった日は一番不安ですが、2カ月間練習を積んできて、今はめっちゃ楽しみです。自信あります。最近は結婚した嫁のことよりハリソン選手のことを考えています」
3歳で空手を始め、14歳でムエタイに転向した北野。これまで掴んだタイトルはWBCムエタイ日本統一スーパーライト級、NJKFスーパーライト級、同スーパーフェザー級、IOCインターコンチネンタルスーパーライト級、HOOST CUP日本ウェルター級。国際的な知名度では経験豊富なハリソンに劣る。それでも現在7連勝中の勢いに乗る28歳は「下馬評的にもリアム・ハリソン選手のほうが知名度がある。イギリスの方は僕のことを知らないと思います。それも全部ひっくり返して全て奪いにいくつもりです」とKO勝ちを誓う。
ONEの魅力について、北野は「強豪が揃い、KOを求められる大会。ONEのムエタイは倒し合い、言葉は悪いですが“殺し合い”しているような感じ」と言う。やるかやられるかの世界--。北野がハリソンと戦う同日、野杁正明(TEAM VASILEUS)がONEデビューを果たす。フェザー級キックボクシング3位のシッティチャイ・シッソンピーノン(タイ)が相手だが、北野は「野杁さんはめちゃくちゃ強い。絶対KOすると思っています」と断言。「世界最強」を目指す野杁のデビュー戦にも注目が集まる。
(文/杉浦泰介、写真/©ONE Championship)
※BS11では毎週木曜日23時に『ワールドファイトCLIP! Supported by U-NEXT」を放送中! 6月13日(木)の放送では「ONE167」の模様も紹介される予定です。
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