山口茜、女子シングルス大会最多タイ4度目のV! ~ダイハツ・ジャパンオープン~

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 国際バトミントン連盟(BWF)ワールドツアー「ダイハツ・ジャパンオープン2024」各種目決勝が25日、神奈川・横浜アリーナで行われた。女子シングルスはBWF世界ランキング5位の山口茜(再春館製薬所)が同14位のブサンナン・オングブンルングパン(タイ)にストレート勝ち。山口は同大会2年ぶり4度目の優勝となった。そのほか男子シングルスは世界ランキング29位のアレックス・ラニエ(フランス)、同ダブルスは同12位のゴー・ジーフェイ&ヌー・イズディン組(マレーシア)、女子ダブルスは同3位のリュウ・シェンシュー&タン・ニン組(中国)、ミックスダブルスは同4位のジャン・ジェンバン&ウェイ・ヤーシン組(中国)がいずれもジャパンオープン初優勝を果たした。

 11年前、山口は高校1年生にして初の優勝を成し遂げたジャパンオープンで、4500人を超える観客の声援に後押しされ、4度目の頂点に立った。女子シングルスにおける同大会最多優勝タイ記録だ。「 自分のことながら同じ大会で4回も優勝するなんてすごいなと思います」 とはにかんだ。 決勝の相手オングブンルンパンには、対戦成績10勝2敗と大きく勝ち越しているものの、直近のインドオープンで敗れている。ここまでの勝ち上がりは準々決勝で大堀彩(トナミ運輸)を破っていた。準決勝はタイ・ツーイン(チャイニーズ・タイペイ)が棄権したため、中1日休んで山口との対戦を迎えた。

 

 シャトルを広角に打ち分け、序盤から主導権を握った。連続ポイントでリードを広げ、16-11からの5連続ポイントで第1ゲームを先取した。第2ゲームに入っても持ち前のフットワークで相手の返球に食らいつき、トリッキーなラケットワークで相手を翻弄した。第2ゲームも21-10でストレート勝ちを収めた。
 11年前からの自信の変化をこう述べた。
「プレー面では成長していてほしい。あの時からは世界ランキングもバドミントン界のポジションも変わったが、変わらずに楽しみたいという気持ちでプレーできている。うまくいかない時期も乗り越えて成長できていると思う」
 
 今後は27日から予選が始まる韓国オープンに出場予定だという。ロサンゼルスオリンピックを含め、中長期な目標については、「これから考えます。自分の気持ちと向き合い中」と話すにとどめた。
 男子シングルスを制したラニエはジャパンオープンのみならずワールドツアー初制覇だ。準決勝で世界ランキング1位のシー・ユーチー(中国)をファイナルゲームの末、破り初の決勝進出。「正直、疲れが残っていた」と本音を明かした19歳だったが、準決勝で日本のエース奈良岡功大(NTT東日本)に完勝したチョウ・ティエンチェン(チャイニーズ・タイペイ)に競り勝った。

「オリンピック期間中もこの大会に向けて準備をしてきた。フィジカル面でもメンタル面でも」とラニエ。オリンピック3大会連続の8強入りを果たした34歳のチョウ・ティエンチェンの粘りを振り切った。緩急を織り交ぜったショットで的を絞らせず、第1ゲームを21-17で取ると、第2ゲームは先にゲームポイントを許す苦しい展開となったものの、22-20でストレート勝ちで試合を締め括った。
 22年ヨーロッパジュニアを制し、23年世界ジュニアで銅メダルを獲得。フランスのパリオリンピックこそ出場できなかったものの、来年の世界選手権もパリ開催となる。「もちろん大きな結果を残したい。勝つためにはもっと準備が必要」。19歳の新星の目標は「世界一」で、オリンピックや世界選手権で金メダル獲得を見据えている。

(文・写真/杉浦泰介)
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