第13回 痛恨の采配(前編)
サッカー日本代表にとって、最大にして最強のライバルは韓国代表である。これまで何度、煮え湯を飲まされてきたことか……。数ある悔しい試合の中で、一番と言えば、これだろう。

1997年9月28日。フランスW杯アジア地区最終予選。1勝1分け、勝ち点4で日本は宿敵・韓国をホーム(国立競技場)に迎えた。
先制したのは日本だった。後半22分、右足のつま先ですくいあげる山口素弘の芸術的なループシュートがGKの頭上をフワリと越えた。この瞬間、“勝利の女神”は日本に微笑みかけたように見えた。
ところが、その6分後の28分、私たちは信じられない光景を目の当たりにすることになる。この日、初めて代表のユニフォームに袖を通したばかりのFW呂比須ワグナーに代え、加茂周日本代表監督はDFの秋田豊をピッチに送り込んだ。1対0で勝負を終わらせようとのメッセージを含んだ采配だった。
だが、これははっきり凶と出る。せっかく手に入れたゲームの流れを、敵に向かわせることになってしまったのである……。
※このコーナーでは各スポーツの栄光の裏にどんな綿密な計画、作戦があったのかを二宮清純が迫ります。全編書き下ろしで毎週金曜日にお届けします。

※二宮清純が出演するニッポン放送「アコムスポーツスピリッツ」(月曜19:00〜19:30)好評放送中!

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先制したのは日本だった。後半22分、右足のつま先ですくいあげる山口素弘の芸術的なループシュートがGKの頭上をフワリと越えた。この瞬間、“勝利の女神”は日本に微笑みかけたように見えた。
ところが、その6分後の28分、私たちは信じられない光景を目の当たりにすることになる。この日、初めて代表のユニフォームに袖を通したばかりのFW呂比須ワグナーに代え、加茂周日本代表監督はDFの秋田豊をピッチに送り込んだ。1対0で勝負を終わらせようとのメッセージを含んだ采配だった。
だが、これははっきり凶と出る。せっかく手に入れたゲームの流れを、敵に向かわせることになってしまったのである……。
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